新井浩文は犯罪者が似合う…ヤバすぎた“犯人役”5選
「犯罪者を演じたら右に出る者はいない」と称賛されていた俳優の新井浩文が、まさか本物の容疑者になってしまうとは――。
2月1日に強制性交容疑で逮捕されて以来、何人もの“派遣型サービス”の女性たちが、「新井浩文にされたこと」を週刊誌などで証言。その粗暴さは、作品の犯罪者役が現実に現れたかのようでした。
そこで、130本にのぼる出演映画・ドラマの中から、ヤバすぎた“犯人役”を選出。性犯罪は絶対に許されないことですが、唯一無二の役者だったこともまた痛感するのでした。
(以下、選出と紹介文は田幸和歌子さんの寄稿)
2006年、監督:山下敦弘、主演:新井浩文
『リンダ・リンダ・リンダ』の山下敦弘監督が、何もない田舎町で起こるくだらない騒動を描く作品。といっても、サスペンスではなく「ブラックコメディ」です。
脇で光ることの多い新井浩文が、ここでは主役。だらしない大人ばかりが登場するなか、真面目で朴訥で、警察官として「正しく」生きてきた主人公が次第に追い詰められ、どんどん壊れていきます。
新井浩文の何を考えているかわからない淡々とした感じと日常を踏み外していく狂気。山下監督ならではの独特の妙な「間」と、すっとぼけたシュールさの相性が抜群です。
2008年、監督:橋口亮輔、主演:リリー・フランキー、木村多江
1990年代からの様々な社会的事件を背景に、困難に直面しながら生きていく夫婦の10年にわたる軌跡を描いた本作。
リリーフランキー演じる法廷画家が見た裁判シーンで、新井浩文は児童を殺した犯人として登場します。死刑宣告される際に、被害者の義母に対して「継母が。本当の親でもないくせに」と罵倒し続ける死刑囚の姿は、吐き気を催すほどのリアルさがあり、強烈な印象を残しました。
出番はわずかながらも、その強烈なインパクトは忘れられません。
2005年、監督:大森立嗣、主演:新井浩文
原作は花村萬月の同名小説で、新井浩文の単独初主演映画です。
何となくの軽い感覚で殺人を犯し、自らが育った修道院に逃げてきた男を演じますが、そこで描かれるのは、動物虐待や強姦、これでもかというほどのエログロの世界。宗教と、暴力、エロス、変態てんこもりで、後味は最悪です。
でも、淡々とした喋りと冷めた目つき、欲望のままに生きることで神の存在を問う狂気は、新井にしか演じられないものでした。
『松ヶ根乱射事件』の壊れていく警官
『ぐるりのこと。』の児童殺害犯
『ゲルマニウムの夜』の凶悪すぎる殺人犯
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