「はがね」を維持すべく努力するのはある意味本人の勝手でしょう。ですが、さらに迷惑なのは、そんなぶっ飛んだ非常識ダイエットを彼女にも強要してくるところだといいます。 「彼はなにかあるとすぐに『痩せなきゃ別れる』と言うんですが、そんな強制ダイエットのメニューがこれまた凄まじくて……。 　デート中も一切炭水化物抜きは当たり前なんですが、いつも彼が決めるデートプランが『ほぼ半日以上、ジップライン（空中滑車のアトラクション）でダムを超えるアスレチック』だったり、もみじ狩りや紅葉を見に日光に行っても全身冬用のウエットスーツを着込んで激流の沢登りを彼と二人でやらされます……」 　デートはまるで運動部の合宿そのもの。むしろ、デートとは名ばかりで、「修行・合宿・山ごもり」という方がしっくりくるかも知れません。 「彼と“秘境の温泉旅行”なんて行ったら、おそらくガスマスクを付けて、本気の登山レベルで歩かされます。あまりにも過酷すぎる！ と一度文句を言ったら、『じゃあ仕事帰りに一緒に二駅分歩こう』って新しいダイエットを提案してくれたんです……が、私たちが住んでいるのは栃木県のど田舎。都内なら二駅はさほど距離もないですが、田舎の二駅は場所によっては3～4時間だって普通にかかるところもあるんです」 「田舎の二駅舐めんじゃねえぞ……」 　ムチャばかり言う彼に、瀬戸さんのストレスとイライラはついにピークを迎えます……！