月々決まった額を渡す
「定額のおこづかい制」も実はモンダイだそう。

「わたしは定額でおこづかいを渡すのはおススメしません。子どもだからといって、働きもしないのに毎月お金がもらえる定額おこづかいのシステムは“受け身の姿勢”を助長してしまい、
そのうち親をキャッシュディスペンサーかなにかのように考えたりすることも。
わたしが提案するのは、子どもを『
家族のなんでも解決マン』に任命して、働いて、お金をもらう、ということをあたりまえのことにすることです」
菅井さんのいう「家族のなんでも解決マン」とは、
決められたお手伝い以外に、家族の困っていることを子どもが解決すれば、報酬がもらえる仕組み。
「つまり、
子どもに家庭内ビジネスをやらせてしまうんです。お母さんが疲れているからお皿を洗ってあげよう。今日は雨だから塾の帰りに買い物をしてこようか? と、子どもが自分の得意なことや環境を生かして動くようになれば、しめたものです」

そこには、
働いて、感謝され、しかもお金を得られる喜びがあるからですと菅井さん。
「働くとどうしてお金がもらえるかわかりますか? お金は、誰かが困っていることを発見して、自分の能力で解決したことへの感謝と感動の対価です。これは、ビジネスの基本。つまり、お金に困っていない人、
“稼げる人”というのは、自分の能力を世のため人のために活かすことが上手な人、ということなんですよね」
「だから、資産家たちは、
子どもの苦手な部分を底上げしようとはあまり考えません。そこそこなんでもできる秀才タイプより、突出した能力のあるデコボコ型のほうがビジネスパートナーとしても魅力的だし、将来的に大きく成長できると思っているからです」
資産家たちが実践するマネー教育には、生きていくうえで本当に大切なことを子どもに教えられるといいます。

「日本では子どもの前でお金の話はあまりしないというご家庭が多いようですが、もったいないですよ。資産家たちは、子どものお金の力を育てるために、
子どもの前でもお金の話もどんどんしますし、暮らしのなかで意識して『稼ぐ』『管理する(貯める)』『増やす』という“お金の力”を育てようとします。
つまり“
自立して生きていく力”です。そこには、親子でより豊かに生きるヒントがたくさんありますよ」
菅井敏之(すがい・としゆき)
元メガバンク支店長。『
お金が貯まるのは、どっち!?』(アスコム)など著書多数。最新
刊『
あなたと子どものお金が増える大金持ちの知恵袋30』(集英社)は、おこづかい帳のつけ方など、「稼ぐ」「管理する」「増やす」の力を大きく育てるためのアドバイスがつまった一冊。
<文/女子SPA!編集部>
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