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アラフォー独身女性は「女の幸せ」という呪いから逃れられるのか

呪いは自分の中にあった

ペヤンヌマキさん――20代は男性に依存して、30代でそこから自立して、40代で迷いが生じた? ペヤンヌ:40は振り返る時期だと思うんです。それをそのまま物語にできたらと思いました。「女の幸せ」という呪いからどう解き放たれるのか、最初の企画の段階では結論が出ていませんでした。そういうモヤモヤしたものを描きたいと思っていました。でも同時に、前向きなほうに向かえたら、という思いもありました。 そしたら今年の正月、夢の中で私が私に言ったんです。「これでいいんだよ」って。自分に抱きしめられた感覚になりました。問題は外的な要因じゃなくて、自分の中にあった。自分が自分を苦しめていたんだと気づきました。 ――まさに、漫画『ダルちゃん』(はるな檸檬 作)と通じるテーマですね。誰かに合わせるのではなく、自分を認めて生きていく。結末をハッピーエンドだと思う人もいれば、サッドエンドだと捉える人もいるようです。 『ダルちゃん』1巻ペヤンヌ:どんな幸せのかたちがあってもいいと思いますが、世間一般の女の幸せではないものが、あまりにも隅っこに追いやられがちですよね。『ダルちゃん』は、「女の幸せ」という呪いから解き放たれて生きやすくなることもテーマにしている作品だと思うのですが、それを読んですら、悲しい話と捉える人がいることに、「呪い」の根強さを感じます。 自分を表現する道を選んだ女性が、必ずしも一生を一人で過ごすわけじゃない。仕事で自信がついたことで、いい恋愛ができるかもしれないわけですしね。

強さを身につけた女性に適した男性は?

稽古中のペヤンヌさん

稽古中のペヤンヌさん

――そういう女性の相手として、どんな男性がいいと思いますか? ペヤンヌ:強さを身につけた女性にだって、弱い部分がある。それをチラっと見せたときに優しくしてくれる男性につい心を開いてしまいがちですが、結局そういう男性は弱い女性が好き。そこで付き合ったとしても、互いの強い部分がぶつかってしまうと思うんです。 特に、ものをつくったり、夢を追っている男性ほど、後ろを3歩下がって歩く女性を求める傾向があると思います。鈴木涼美さんが、女性が活躍する社会の実現に取り組むインド人男性の奥さんが実は、若くてかわいいだけの女性だったことにがっかりした、ということを綴った記事を読んで、そうだよな、と。結局、ダブルバインドなんですよね。 そうなると、強い自分を認めてくれて好きになってくれる人と付き合うのがいいのかもしれません。でも、どんなに男性に依存する自分を封印しても、何かすごくショックなことが起きた時に、「なんだかんだでお前はがんばったよ」と頭をぽんぽんってしてくれる好みの顔の人が現れたら、いっちゃうかも(笑)。そことの葛藤は常にありますね。
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『美女と野獣』の野獣に感情移入して号泣
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