――それこそ、本作には美しい青年が登場しますよね。
ペヤンヌ:大和孔太くんですね。彼の役どころはヒモです(笑)。20代の頃、夢を追う男性が好きだったんです。彼はその象徴です。ほぼ同い年で夢を追っていて、でも自分の成長によって関係がギクシャクしてしまう。20代は男女ともに余裕がない時期ですが、もっと余裕があるときに出会いたかった、という思いがあります。

鈴木砂羽と大和孔太
――前作が、谷崎潤一郎の小説『痴人の愛』の男女を逆転させた『男女逆転版痴人の愛』(2017年)でしたが、その時は美少年と、彼に翻弄される40歳女性、という設定でしたね。
ペヤンヌ:その頃からなんですけど、ディズニー映画を観ていると泣いちゃうんですよね。特に、『美女と野獣』には号泣しました。それも男女逆転して感情移入して。野獣が推しの美少年を見守るBBAにしか見えないんです。花びらが全部散ってしまったら女ではなくなる、みたいな。こんなふうに感情移入するなんて、20代の頃は思いませんでした(笑)。
――40代の自分と20代の自分が向き合う『エーデルワイス』は、ペヤンヌさんから20代の女性へのエールでもあるかもしれませんね。
ペヤンヌ:そうですね。今の20代の女性と接していると、つい過去の自分を投影してしまうんです。応援したくなる気持ちがある一方で、男性に依存しているのを見たりすると、同族嫌悪したり……(笑)。でも、20代の頃の自分、そして20代の女性たちに伝えたいのは、これからいろいろあるけど、生きていれば大丈夫だよ、ということですかね。
<文/女子SPA!編集部>
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