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シングルマザーのデリヘル嬢が哀しい転落。ドラマ『フルーツ宅配便』が見ていて辛い…

必死に働いた挙句、またドン底に落ちてしまった

 覚醒剤に手を出した後、娘の寝顔を見てブルーベリーは自分の情けなさとふがいさなさに号泣します。  どんなにがんばっても、自分の意思だけではどうにもならない世界がそこにあること、すでにその世界に足を踏み込んでしまっていることの恐ろしさに身をつまされます。子供がいようがどんな事情があろうが、現実は容赦なく迫ってきます  ブルーベリーの異変をミスジは見逃しません。ブルーベリーの足に打たれた注射の跡を見つけ出し、「自首しろ」と迫ります。  ここでブルーベリーも観念し、完全に薬物を断ち切るために、自ら警察に出頭することを実母に告げます。そして、母親に娘を託し家を飛び出すのでした。家を飛び出し、咲田が待つ車に乗って警察署にむかうブルーベリーでしたが、その車を娘が追いかけてきます。振り返ることができないブルーベリーはそのまま号泣して、車を強引に走らせるように咲田を促すのでした。  家計を支えるために必死に働いた挙句、心身ともに追い込まれ、そこに暗い過去が忍び寄り、ブルーベリーは再度ドン底に突き落とされます。そしてブルーベリー同様、彼女を見守り続けた実母も待ち続けた娘もまた、ブルーベリーとともに哀しい道を辿るのでした。  立ち直らなくてはならない、変わらなくてはいけない、そんなことはとうの昔にわかっていて必死にあがいているのに、報われない人間の悲劇を中村は見事に演じています。今回は最初から最後までシリアスに話が進み、見ていて息苦しさすら覚えました。  次回は地方のデリヘルを転々とする、ワケありデリヘル嬢が登場します。後半にむけて展開のテンポも早く濃くなる『フルーツ宅配便』に注目が集まります。 <文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB
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