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偉大な父に劣等感…『まんぷく』の源ちゃんは、朝ドラ終盤の重要キャラ

 NHK連続テレビ小説『まんぷく』では、まんぷくラーメンの発明後、時を経て、新たな画期的商品・カップヌードルを萬平(長谷川博己)が考案。開発が順調に進んでいます。  そして、とうとう3月18日放送分では、萬平&福子(安藤サクラ)の長男・源ちゃん(西村元貴)が着目した「フリーズドライ製法」により、スクランブルエッグを具にする案が採用されました。視聴者も皆、ホッと胸をなでおろしたことでしょう。
まんぷく

『まんぷく』公式サイトより

息子・源ちゃんの葛藤は、朝ドラ終盤のセオリー

 そもそも幼い頃の源ちゃんといえば、好奇心旺盛で、虫嫌いの鈴さん(福子の母、松坂慶子)を驚かせるため、黒豆と楊枝でムカデを作ったりするようなイタズラっ子でした。ビックリさせて大喜びする顔つきは、萬平さんが何か思いついた時の表情にソックリでした。  にもかかわらず、大人になってからは意欲が薄く、まんぷく食品に入社して開発チームに入ってからも焦りを見せるばかりで、幼い頃のエネルギーや発想力はどこに行ったのかと思っていた人も少なくないはず。  でも、大人になるにつれ、父親の凄さがわかってくることによって、劣等感が生まれ、伸び伸び感を失っていくのは、現実世界の“二世”にもよくあることでしょう。  一代記や半生を描く朝ドラにおいては、「子」や「弟子」の葛藤というのは、終盤の定番要素の一つになっています。

『あさが来た』の長女、『わろてんか』の長男も

あさが来た

『あさが来た』DVD

 例えば、『あさが来た』。お転婆で学問に強い関心があり、商才に長けていたあさ(波瑠)と、その長女・千代(小芝風花)は、幼少時は瓜二つで、どちらも鈴木梨央が演じていました。しかし、千代は母とは性格が大きく異なり、おとなしくしとやかで、成績は良いものの、学問への関心が薄く、女学校に進学したものの、卒業後は花嫁修業をします。憧れを抱いたのは、母ではなく、その優しい姉・はつ(宮﨑あおい)のほうでした。  一方、あさに心酔し、学問の道の後継者となっていくのは、娘・千代ではなく、その女学生時代の学友(吉岡里帆)でした。
わろてんか

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 また、『わろてんか』の長男(成田凌)の場合、先見の明はあるものの、騙されやすい性質が父(松坂桃李)ゆずりでした。そのために、詐欺被害に遭って、母にフォローされたり、道ならぬ恋に走って母に勘当され、駆け落ちしたり。しかし、最終的には断絶していた母から、実は父と結ばれたのも駆け落ちだったことを聞かされ、和解を果たします。「偉大な母」を近くに感じることのできる瞬間でした。

『ちりとてちん』の嘘つきの弟子

ちりとてちん

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 また、『ちりとてちん』の場合は、「子」といっても、お騒がせの「弟子」が登場します。草々(青木崇高)に憧れて弟子入りした者で、落語研究会出身で、話せるネタの数は多く、家事などもソツなくこなす優等生でした。しかし、問題は根っからの嘘つきであること。落語家になるために両親が死んだことにしていたことがバレ、実際に両親を亡くしている草々の怒りを買い、破門されそうになって、一門の「おかみさん」となったヒロイン・喜代美(貫地谷しほり)に救われる件もありました。  バカがつくほど真っすぐな師匠に、嘘つきの弟子。不思議な巡り合わせです。
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『カーネーション』の母・娘・孫
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