2017年に放送された有村架純主演の連続テレビ小説『ひよっこ』が、3月25日から4夜連続の続編として帰ってきます（NHK総合、3月25日・月曜～28日・木曜　19:30～20:00）。 　同作で注目すべきポイントは、BSではなくNHK総合での放送ということと、「スピンオフ」ではなく「続編」ということ。 　それは『ひよっこ』というドラマの性質や愛され方と大きく関わっているように思います。 　2010年代の朝ドラは、『わろてんか』『あさが来た』『まれ』『マッサン』『花子とアン』『ごちそうさん』『純と愛』『梅ちゃん先生』『てっぱん』『ゲゲゲの女房』などなど、「スピンオフ」を放送するのが一般的になってきました。 　そうした流れは、視聴率は苦戦したものの、DVDボックスが爆売れするなど、局知的・熱狂的視聴者を生んだ『ちりとてちん』（2007～2008年）に端を発します。 『ちりとてちん』では、女性落語家・喜代美（貫地谷しほり）を取り巻く徒然亭一門の兄弟子たちが特に人気の高いキャラだったことから、『ちりとてちん外伝　まいご3兄弟』が放送されました。 　それ以降、スピンオフは続々と作られます。例えば、『花子とアン』ではヒロインの幼馴染を主人公とした「朝市の嫁さん」を放送。ヒロインを励まし、見守り続けた幼馴染・朝市が人気となり、その報われない思いを応援する視聴者たちの「朝市にも幸せになってほしい」という思いからスピンオフが作られました。朝市を演じていたのは、窪田正孝。『ゲゲゲの女房』漫画家アシスタント枠を経て、この作品で幼馴染を演じ、2020年の朝ドラ『エール』では主演が決定しています。 　また、『ごちそうさん』スピンオフの『ごちそうさんっていわしたい！』では、菅田将暉演じる泰介の「初恋」が描かれました。そして、菅田将暉は現在放送中の朝ドラ『まんぷく』で主人公夫妻を救う若き弁護士として大活躍しています。将来の朝ドラ主人公候補生といっても過言ではないでしょう。 　また、異色だったのは『梅ちゃん先生』のスペシャルドラマ。安定した高視聴率を獲得しつつも、評価はさほど芳しくなかった同作ですが、スペシャル版では『梅ちゃん先生～結婚できない男と女スペシャル』を放送。脚本を手掛けるのは、阿部寛主演のフジテレビ系『結婚できない男』の脚本家・尾崎将也だっただけに、「本編よりもSPのほうが面白い」「むしろこちらがお得意分野」という声もチラホラ出てくる好評ぶりでした。