「引っ越し準備のことで電話してきたと思っていたのですが……『
やっぱり俺はまだ学生だし同棲はまだ早いと思う。正直言って同棲したら君は結婚を意識するだろうけど、俺はまだそこまでの気持ちじゃないんだ。だから期待させるのも良くないし、別れよう』と突然別れ話を切り出されてしまいました」
別れ話自体も相当ショックでしたが、引っ越し前日になって業者を断るにもキャンセル料がかかるし、物件の初期費用や家具家電の購入代もすべて捻出していたのは早苗さん。当然彼に対して、
「そんな急すぎるよ!」と怒りました。
「そうしたら彼から『君の気持ちは痛いほどわかるけど、
ぶっちゃけ、ほかに好きな人ができたんだ。だから同棲はできない。そもそも学生が同棲なんて無理があったんだよ。
俺はまだバイトしかしてないし同棲の費用は出せない。ごめんね』と言われてしまって。
話があまりにも急すぎて私も気が動転してしまったのですが、もしかしたら引っ越し当日になったら思い直してくれて転居先に来てくれるんじゃないかと期待して、当日は転居先で待っていたんです」
引っ越し当日、どんどん運び込まれる荷物や家具家電。すべて2人暮らしを想定していたものだったので、一人暮らしを始めるよりもたくさんお金を使うことになってしまいました。
それ以降、彼からは連絡もなく関係も途絶えてしまったそうです。早苗さんは当時のことをこう振り返ります。
「お互いに収入があって、それを基準に生活を組み立てていくことの必要性を強く感じました。いくら愛があってもお金の話はちゃんとして、見通しをしっかりたてること。今回私は引っ越しに関する全ての費用を立て替えていたのが甘かったです。
ラブラブな状態の中で浮き足立っていたんだなと、今は反省しています」
結局、彼氏には収入がなかったので取り立てることもできず、必要経費は全て早苗さんが負担という厳しい結果となってしまったそうです。浮かれていても、お金のことだけはしっかりしておかないと……と思い知らされるエピソードでした。
交際3ヶ月とはいえ、せめて同棲前に相手の実家へ挨拶でもしておけば、こんな金銭トラブルは避けられたと思いますが……。
―
私の「お金の失敗」―
<文/大庭スミ>
⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】