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子供ができない40歳妻。不倫相手と駆け落ち寸前に知った、夫の本心とは

 何らかの事情で一度関係の壊れかけた夫婦でも、思わぬきっかけで再生することがあります。男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが、夫婦の“再生物語”をレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)
ぎこちない 喧嘩 夫婦

写真はイメージです(以下同じ)

 結婚して10年、子どものいない夫婦に訪れた危機。エリカさん(40歳)は、何もかも捨てて不倫相手と一緒に海外に行こうとしていた。だが、そこで夫のとった行動とは。

夫の子ども好きを知っていたからこそ

 30歳のとき3歳年上の男性と結婚したエリカさん。すぐに子どもができるものだと思っていたが3年たってもできない。夫婦で受診すると、エリカさんに問題があることがわかった。 「不妊治療をしても可能性は低いと。そのときの夫のがっかりした顔が忘れられないんです。彼はものすごく子どもをほしがっていたので。夫の気持ちがわかるからこそ、私は申し訳ない気持ちでいっぱいで、それ以来、どこか夫婦関係はぎくしゃくしていたような気がします。ぎくしゃくというか、お互いにどこか遠慮ばかりするようになっていた」  それぞれが仕事を優先したので、時間的なすれ違いも大きかった。エリカさんは週末も習いごとやジムに通い、あまり夫と一緒にいないようにすることもあった。 「夫のほうも浮気していたんじゃないかなと思うフシがあります。出張といって週末いなかったりね。出張なんてほとんどない仕事なのに」

運命の人は一回り年上の画家

 相手に無関心になったわけではないのに、関心があることを表現してはいけないような雰囲気になっていった。あたりさわりのない会話と、表面的な思いやりだけがふたりを支配していく。 「つらかったですね、あのころは。さびしかったし。一緒にいると、ひとりでいるより孤独なんです。そこから逃げ出しくて、独身の女友だちと遊んでいました」  37歳のときだった。一回り年上の「運命の人」に出会った。たまたま立ち寄った画廊にいた画家と知り合ったのだ。 「美術の教師をしながら絵を描いている人で、ひとこと交わしただけで恋に落ちていました。そんなことが自分に起こるなんて考えられなかった」  彼に誘われるままにカフェに行ったが、エリカさんは「脳みそが沸騰したような状態になっていて、何を話したかも覚えていない」そうだ。 不倫 女性話の途中でもう我慢ができなくなり、『私、あなたを抱きたい』とつぶやいてしまったんです。なぜか抱かれたいではなく、“抱きたい”だった。彼は落ち着いた口調で『同じことを考えていた』って。彼、地方から絵の出品のために上京していたんです。だから彼の泊まっているホテルにそのまま行ってしまいました」  激しい時間を共有したあと、「もぬけの殻になって家路に着いた」そうだ。

彼の海外旅行に同行しようと

 彼は既婚でふたりの子どもがいた。だが妻は実父の経営する会社の専務としてバリバリ働いており経済的には余裕があったため、それ以来、ときおり上京するようになった。 「それでも1ヶ月に1回、会えればいいほうだった。彼に会えないと身体がガクガクすることがあるんです。自分の身体が自分のものでないような。彼と時間を過ごすと、また身体感覚が戻ってくる。とにかく彼と会っていないと心も体も不安定でどうしようもないんです」  出会ってから半年後、彼が絵の勉強も兼ねてフランスに旅行をするから一緒に来ないかと言ってくれた。「もう帰ってこなくてもいいんだ」と彼はつぶやいて、じっと彼女の目を見つめた。ふたりで何もかも捨てて、新しい世界へと旅立つ。彼とならそれもいいかもしれない。 「考えに考えて、私も覚悟を決めました。久々に実家へ行って両親と過ごし、心の中で親にお別れもした。夫には連休と有休を使って、女友だちと旅行すると言ってありました。夫は『いいなあ。楽しんでおいで』と言ってくれていたんです」
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空港でエリカさんを待ち受けていたのは…
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