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浮気夫と離婚したら、なぜか仲が良くなった。元夫の意外な変化とは

 何らかの事情で一度関係の壊れかけた夫婦でも、思わぬきっかけで再生することがあります。男女関係や不倫事情を長年取材し著書多数のライター・亀山早苗さんが、夫婦の“再生物語”をレポートします。(以下、亀山さんの寄稿)

「おまえが友だちを作れと言ったから」

 離婚して3年、子どもたちの成長に合わせて元夫との関係も変化してきたというマドカさん(48歳)。別れた原因は夫の浮気だったが、その言い訳と状況をどうしても許せなかったという。
家族

写真はイメージです(以下同じ)

 マドカさんが2歳年上の夫と結婚したのは29歳のとき。職場の同僚が結婚したときの二次会で知り合い、1年ほどつきあって結婚した。まじめで実直、結婚するには最適だと思った。30歳、33歳で出産、それ以降も共働きでがんばってきた。 「子どもができてからも夫は積極的に家事育児をやってくれた。やさしい人だし家族を大事にしてくれたのはわかってる。ただ一方で、家族以外に趣味がないんですよ。友だちも少ないし。子どもたちが大きくなって自分の世界をもつようになり、私も仕事以外に友だちと会ったり趣味を再開したりしていったんですが、夫は家の中にいるばかり。5年くらい前でしょうか、夫に『あなたも友だち作ったら?』とそれとなく言ったことがあるんですよね」  その半年後、夫の浮気が発覚。しかも相手はときどき家にも遊びにくるマドカさんの友だちだった。マドカさんは後頭部をいきなりハンマーで殴られたようなショックを受けた。 涙「夫のことも彼女のことも責めましたよ。彼女は泣きながら謝ったけど、夫は『おまえが友だち作れって言ったから……。どうせならおまえの友だちがいいなと思って』と言い訳。信じられませんでした。こんなのアリ? 弟に話したら大笑いされましたよ。笑いごとじゃないんだけど」  言いながらマドカさんも呆れたような笑いを漏らした。聞いているこちらも笑うしかない。

やり直そうと思ったけど、やはり無理

 その後、夫が別れたくない、子どもたちとも一緒に暮らしたい、やり直してほしいと言うので、マドカさんはなんとか自分の気持ちをおさめようとした。 「でもね、私の気持ちの中に夫を信用しようという気持ちがないんですよ。急速にしぼんだ風船みたいに、夫のことはどうでもよくなってしまった。数ヶ月たつうちに、どうでもいいだけではなく煩(わずら)わしくなってきた。このまま一緒に暮らしても意味がないと思って離婚を切り出しました」 離婚 夫としてはイヤだとは言えない状況。子どもたちにも正直に話し、夫は近所にアパートを借りた。マドカさんも子どもたちと夫との交流を禁じる気はまったくない。 「下の子が学校でケガをしたとき、私はたまたま日帰り出張で大阪にいたんですが、代わりに元夫が飛んで行ってくれた。そういう意味ではずっと父親でいつづけている。それはありがたかったです」
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別居中の夫から、昨年末打ち明けられたこと
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