そして昨年末、マドカさんは元夫に呼び出された。その前年と同様、年末年始は寂しいから行ってもいいかという打診だと思ったのだが、彼が話したのは
がんになったという事実だった。
「初期の大腸がんだそうです。すでに手術も終わって退院したばかりだという。ひとりで入院して手術したのかと思ったら、ちょっとかわいそうになりましたね」

年末年始は自宅で過ごしてもらった。その後も何かと気にして週に1度は自宅に呼んでいる。
「再婚するかどうかは別として、健康面はやはりちょっと気になります。今は他人だけど16年も結婚していたんですから。元夫が浮気した私の友人はバツイチ独身なんですが、結局、彼女とはうまくいかなかったようですし」
元夫は今、元妻のことを「マドカさん」と呼ぶ。そこに
元夫の反省は見られると彼女は評価する。
「妻を“おまえ”と言っていた彼が、離婚したとはいえずっと私を“さん”付けで呼んでいる。他人だという意識はあるんでしょうね。
夫婦って相手を自分のモノだと思うから居丈高になる。元夫との距離感は今がいちばんいい。週に1度くらいしか合わないから会話もはずむし、夫婦でいるときよりお互いに相手の話をきちんと聞くようになりました。関係性という意味では再生しているのかもしれません」
夫婦という形の復活より、関係性の復活。結婚という形に安住しない関係を、彼女はこれからも続けていきたいそうだ。
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夫婦再生物語 Vol.6―
<文/亀山早苗>
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