――たしかに平成の時代、ファッションに関する価値観は大きく変動しました。
角「それでも生き残るブランドはあるのですが、ツモリチサトの場合、ブランドコンセプトは
『大人ガーリー』という20代ウケするテイスト。もちろん30代、40代になってもツモリの服を着たい! というコアなファンはたくさんいますが、多くの方は『そろそろ年齢に似合う服を身につけなくては』と
少女であることを卒業するのではないでしょうか。
かつて90年代にたくさんツモリの服を買っていた固定ファンがどんどん大人になっていき、ツモリを卒業する。
古参は去っていき、新しい20代はプチプラ服にしか目がいかない。そうした時代の変化にうまく対応しきれなかったことが失速してしまったことに繋がっているのかもしれません」
『TSUMORI CHISATO 2019 SPRING & SUMMER』(宝島社)
――ツモリチサトでしか手に入らないファッションって、沢山あると思うんです。もちろん代わりはききませんが、ブランドの取扱い終了で寂しい人はどうすればいいのでしょう。近いテイストのブランドにはどのようなものがありますか?
角「そうですね、最近ではツモリチサトのような個性的で可愛らしいデザインのブランドが軒並みなくなっているので難しいところですが……ツモリチサトがお好きな方は、『フランシュリッペ(franche lippee)』も好きだというイメージが強いです。
フランシュリッペは1999年に登場した日本のレディースブランドで、フレンチガーリーな可愛らしいデザインが魅力的です。価格帯はもう本当に気持ち程度の感じでツモリより少しだけ安いという感じです。
またキッズ・ベビー服で人気の高いフランスのブランド『プチバトー(Petit Bateau)』は、2010年にツモリチサトとコラボレーションをして限定コレクションを販売していました。テキスタイル(プリント柄)が特徴的なフレンチ・北欧テイストのブランドを探すとツモリチサト好きの方にとって好みのアイテムが見つかりそうなので、ぜひこれらを参考にお好みのブランドを探してみてください」
なんだか“平成の終わり”を感じずにはいられない衝撃のニュース。角さんも最後に「悲しいことに、他にも個性的なブランドがたくさん撤退していて……『令和』に期待するしかありません」と本音を漏らしてくださいました。去りゆくブランドを惜しみつつ、ファッションの「新たな風」にも期待したいものですね。
エイ・ネットでの取扱いが終了するとはいえ、ツモリチサトの一部ライセンスグッズは今後も入手可能だとか。また公式サイトによると、これから全国のツモリチサトショップで感謝のイベントを企画しているそうです。ファンの方はぜひチェックしてみてください。
<文/女子SPA!編集部>
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