公園デビューに失敗した新米ママ。もっと怖かった場所は…?
「ドラマで見る公園デビューの世界そのものでしたね。いくつかのママ達のグループが既にできあがっていて、子供はそっちのけでみんなおしゃべりしていました。来ているママたちのなかにはスカートの人もいましたね。みんな万全におしゃれをしていてかなり気合いが入っていました。はじめてホールに足を入れた瞬間、そこにいたママ達に一斉に見られるのもわかりました」
弥生さんはここで、児童館デビューは失敗したなと思ったそうです。
どうしていいのかわからない弥生さんは、グループで固まっているママ達に話しかけることもできず、しばらく娘さんと二人だけで遊んで、帰ろうとしました。しかし、帰りがけに事件が起こります。
「帰る準備をしていたら、ボスママらしき人に『はじめての人は胸にネームプレートをつけて、グループをまわってあいさつするのがルールですよ』って言われたんです。そんなルール知りません、と言い返すこともできず、『すみませんでした』と謝って、そそくさと帰りました」
その後、弥生さんはどうしたのでしょうか。
「近所の人ということで、娘の保育園や小学校などで今後も付き合いが続くかもしれないと思い、次の日にもう一度児童館に行ってネームプレートをつけてみなさんにあいさつをしました」
弥生さんは振り返ります。
「いろんな世界にいろんな……勝手な……ルールがあるんですよね。面倒なことにならないように、デビュー前になにかしらの情報を入れておくことが大事だと学びました……」
事前の下調べをしておくことは、なにかのデビューをするうえで必要不可欠なのかもしれません。弥生さんは結局、その児童館には二度と行かなかったそうです。
―私の◯◯デビュー失敗―
<文/瀧戸詠未 イラスト/田丸こーじ>
ボスママに「ルール知ってますか?」と言われてしまい……
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