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会社員から漫画家に転身したけど…「卵がたまの贅沢」という32歳女性の貧困

「会社員をやめて、フリーランスに転身」と聞いたら、自由で楽しそうですよね。けれども、現実はそう簡単にはいかないようで…経験者の話をきいてみました。 晴れた空

会社員から4コマギャグ漫画家に転身

 松沢麗奈さん(仮名・32歳)は20代の後半から、会社員として働きながら漫画家を夢見て4コマ誌に投稿を繰り返していました。 「もうあきらめて漫画なんてやめてしまおうかと思っていた頃に、編集さんから電話がきて新人賞を受賞したと聞いた時は興奮しましたね…心底嬉しかったです」  受賞からはトントン拍子で、すぐに4コマギャグ漫画の連載をスタート。会社員を辞めて漫画家としての生活が始まりました。 「ですが、あまり人気が出なくて1年で打ち切りになってしまったんですよ」  それから読み切りや、読者投稿を漫画化する仕事などがちょこちょこ来ましたが…。

月収12万円で家賃6万5千円…貯蓄もゼロ同然

貧困「ガクッと収入が落ちてしまって…とにかくお金が無くて不安なので節約しながら暮らしてますね」  収入は、月12万円程になってしまい、家賃の6万5千円(管理費込み)を払うのもやっとの状態に。会社員時代の貯金は漫画家になった時に引っ越しをして、新しいPCに買い替えた事で、ほとんど使ってしまいゼロも同然です。 「100円ショップの食パンに、キムチとチーズを乗せたものが主な食事で…たまの贅沢で目玉焼きやゆで卵が加わる感じです」  会社員時代年収は300万ちょっとでしたが、連載中は380万程に増え、やりがいを感じていた麗奈さん。連載が続いていた期間は、4コマ漫画以外にも、掲載誌から体験ルポ漫画や単価の良いカラーカットの仕事をもらえたり、しょっちゅう発売される増刊号では再録料がそのたび入るなど、収入のルートが複数あったそう。それが、載らなくなるとパッタリで、大変なことに。  また連載をスタートさせて生活を安定させようと、日々連載のネタを考えては担当者に提案しているそう。 「この間も『もうちょっとで連載採用の会議通りそうだったけどダメだったから、読み切りで1回やってみる?』と言われて…悔しかったですね」  またチャンスをつかんで、漫画家として忙しくなると信じて頑張っているのですが…。

心身に鬱症状が出始めた

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写真はイメージです(以下同じ)

「お金がなくて、常に追い詰められた状態で引きこもっていたら、だんだん鬱っぽくなってしまって」  不眠からはじまり、朝になると身体がだるくベッドから出る気になれず、最悪な未来の妄想ばかりしてしまうという麗奈さん。  よっぽど長野県の実家で暮らす両親に相談してお金を借りようかと思いましたが…漫画家になると会社員を辞める時に、とても心配させて引き止められたのに言う事を聞かなかった過去があり、なかなか言いだせません。 「こんな時に頼れる彼氏でも居たらなぁ…と思いますが、お金が無いと友達からの誘いも断るしかなくて、出会いのチャンスなんてないですね」  思い切って、友達との食事会にたまには参加しようかな?と思う時もありますが…食事代だけでなく、美容院に行くにも新しい洋服を買うのも出費がかさむなとあきらめるそう。 「ですが、鬱を治すために、なんとかして病院には行かないとなと思い、知り合いの漫画家に『今、次の連載までの準備期間なんだけど、腕がニブらないようにちょっとアシスタントさせてもらえない?』と頼んでみたんですよ」
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診断は軽度の鬱病。でも…
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