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Vol.11-2 社内で2人とW不倫した妻。夫がとった驚きの「対処法」とは

「理解してもらう努力を怠っていた」

 慰謝料係争中に、木島さんのもとに典子さんから手紙が届いた。 「便箋で2枚。こう書かれていました。『私は、あなたに自分のことを理解してもらおうという努力を怠っていました。どうせあなたは私を理解しないだろうと思って、諦めていました』と」  木島さんは典子さんとの関係を、こう総括する。 「典子は、僕みたいなのはタイプじゃなかったんですよ。大学時代に付き合っていたとされる人のことを離婚後に人づてで聞いたんですが、才気走ってて自信満々で、ちょっといっちゃってる規格外の人。A夫のような人です。僕とはまったく違うタイプ。にもかかわらず僕の求めに応じて交際・結婚したのは、僕の押しが普通の人より強く、かつ彼女が普通の人よりずっと状況に押し流されるタイプだったからです」 ※写真はイメージです 木島さんが典子さんの気質について再三繰り返している「多少の不満があっても自分から環境を変えようとはしない」が思い起こされる。 「典子が学生時代、水道の蛇口と洗濯機をホースでつながないまま4年間すごしたって話をしたでしょ? 僕との結婚生活は、まさにあれだったんですよ。ベストな状態ではないけど、当座困るわけじゃないから、ほっといた。それだけです」  木島さんの言葉から、静かなる怒りが伝わってくる。 「典子に言い寄ってくる男が2人いて、彼女としてはどちらも特に断る理由がないから、求めに応じて相手に尽くした。そういう意味では、僕のプロポーズを受けたのも、彼らからの不倫の持ちかけに応じたのも、彼女の中では同じことなんですよ。相手に罪悪感を抱かせることなく期待に精いっぱい応えようとした。ただ、それだけなんです」  木島さんは2年前に再婚したというので、最後に不躾な質問をしてみた。今の奥さんが典子さんと一番違う点はどこですか? 木島さんは即答した。 「僕のことを好きだってところ、ですね」 ※本連載が2019年11月に角川新書『ぼくたちの離婚』として書籍化!書籍にはウェブ版にないエピソードのほか、メンヘラ妻に苦しめれた男性2人の“地獄対談”も収録されています。男性13人の離婚のカタチから、2010年代の結婚が見えてくる――。 <文/稲田豊史 イラスト/大橋裕之 取材協力/バツイチ会> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
稲田豊史
編集者/ライター。1974年生まれ。映画配給会社、出版社を経て2013年よりフリーランス。著書に『映画を早送りで観る人たち』(光文社新書)、『オトメゴコロスタディーズ』(サイゾー)『ぼくたちの離婚』(角川新書)、コミック『ぼくたちの離婚1~2』(漫画:雨群、集英社)(漫画:雨群、集英社)、『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』(PLANETS)、『セーラームーン世代の社会論』(すばる舎リンケージ)がある。【WEB】inadatoyoshi.com 【Twitter】@Yutaka_Kasuga
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