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『なつぞら』広瀬すずが明るすぎて…子役時代の“切なさ”はどこへ消えた?

育ての親たちに十分愛されたから?

 しかし、こうした変化からは、かつて泰樹がアイスクリームをご馳走してくれたときの教え「それは、お前が絞った牛乳から生まれたものだ」「そのアイスクリームは、お前の力で得たものだ。お前なら大丈夫だ。だからもう、無理に笑うことはない。謝ることもない。お前は堂々とここで生きろ。良いな」が、なつの中でずっと生きていて、これまでの支えになってきたことがうかがえます。  そして、いかに柴田家で大切に育てられ、幼なじみをはじめとした友人たちに愛されてきたかということも。  そう思うと、努めて明るく振る舞い、キョロキョロしながら必死で生きてきたなつを、こんなにも真っすぐ自信に満ちた美しく明るいお嬢さんに育てた柴田家の教育方針は見事と言わざるを得ません。  ちなみに、スタートダッシュで人気を独占したツンデレあたたかな「おんじ」柴田泰樹(草刈正雄)も、突然、孫の照男(清原翔)に「なつと結婚して、牧場を継げ」と言い出すなど、やや横暴にも見える変化を見せています。  これは、なつの実兄が見つかったことで、なつを東京に行かせまいと思う、なつに対する深い愛情と執着からでした。  なつと同い年の実孫・夕見子(福地桃子)が北海道大学を受験し、札幌に出ていこうとしているのはスルーしているところを見ると、「なつだけが可愛いのか」と思いそうです。  しかし、そこもまた、リアルなところ。仕事も手伝わず、会話もあまりなくとも、放っておいても血縁というつながりが決して切れることはない実の孫と、「実の家族のように一緒に暮らしてきたものの、結局は他人であるなつ」との違いは明白ということなのでしょう。  それぞれのキャラの変化に、ドラマでは描かれてこなかった背景を想像するのもまた、『なつぞら』の楽しみのひとつです。 <文/田幸和歌子> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
田幸和歌子
ライター。特にドラマに詳しく、著書に『大切なことはみんな朝ドラが教えてくれた』『Hey!Say!JUMP 9つのトビラが開くとき』など。Twitter:@takowakatendon
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