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春ドラマ名作ベスト3。2位『わた定』を超えたのは?

 2019年4月クールのドラマがすべて最終回を迎えました。  そこで、今クールも僭越ながら、わたくしドラマウォッチャーの中村裕一がベスト3を選ばせていただきました。みなさんの評価はいかがでしょうか?

第3位『集団左遷!!』福山雅治「頑張る」男で新境地

『集団左遷!!』TBS公式サイトより

『集団左遷!!』TBS公式サイトより

 まず第3位は福山雅治主演『集団左遷!!』(TBS系)。  主人公はノルマを達成しなければ廃店&リストラという大逆風のなか、部下たちと必死になって頑張る三友銀行蒲田支店の支店長・片岡洋(福山雅治)。蒲田支店は健闘むなしく廃店となってしまいますが、その後は舞台を本部に移し、片岡が会社にはびこる不正と隠蔽を暴こうと上層部に立ち向かいます。
 特筆すべきは、福山雅治がこれまでのスマートなイメージをかなぐり捨て、泥臭く必死に「頑張る」男を懸命に演じたところ。その姿は「顔芸」とまで呼ばれましたが、きっとファンならずとも彼の俳優としての新しい一面に魅力を感じたことでしょう。  そして、香川照之演じる副支店長・真山をはじめとする仲間たちとの絆も印象的でした。最終回、最大の敵であり「頑張る」ことをあれだけ否定していた横山副頭取(三上博史)が失脚し、去り際、片岡たちに向かって「ではみなさん……頑張って下さい!!」と叫ぶシーンは鳥肌ものでした。 「下克上」と銘打(めいう)った本作のストーリーは、あくまでも理想論なのかもしれません。しかし、次の世代のために「今」を変えようとする気持ちと行動を形にするためには、目指すべき「理想」が必要なのではないでしょうか。

第2位『わたし、定時で帰ります。』働くことの意味を問いかける

『わたし、定時で帰ります。』TBS公式サイトより

(画像:『わたし、定時で帰ります。』TBS公式サイトより)

 2位は吉高由里子主演『わたし、定時で帰ります。』(TBS系)。  過去の苦く辛い経験から、どんなに忙しくても定時で帰ることを肝に命じているWEB制作会社のディレクター・東山結衣(吉高由里子)。  婚約を破棄した元恋人・種田晃太郎(向井理)と、ライバル会社で働く現在の婚約者・諏訪巧(中丸雄一)の間で揺れながらも、すぐに辞めたがる新入社員・来栖(泉澤祐希)や部下のことをまるで道具のように扱う上司・福永(ユースケ・サンタマリア)らとの衝突や対立を乗り越えて彼女が前に進んでいく姿が描かれていきました。
 ある意味で「理想」とも言える『集団左遷!!』とは対照的に、徹底的に会社そして仕事の「現実」を描いたと言える本作。自分の心身を削ってまで働くことの意味、そのことによって得られるものの価値について鋭く問いかけてくるドラマだったと思います。  中でも、福永役のユースケ・サンタマリアの演技は絶品でした。最終回、プロジェクトから外され、歩道橋の上で激昂するシーンは思わず息を呑むほどの迫力。去年4月クールの『あなたには帰る家がある』に続いて彼の演技にうならされました。  余談ですが、第7話でドラマ好きな上海飯店の店主・王丹(江口のりこ)がスマホの画面を見ながらつぶやいた「もう、遅いねや」は、往年の名作『男女7人秋物語』(1987年)で今井良介(明石家さんま)が神崎桃子(大竹しのぶ)に言った名ゼリフ。ドラマファンを喜ばせる小ネタも良かったです。
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