「その日は給料日だったんで銀行に行ってみると、お給料が振り込まれていなかったんです。確かにその1カ月間店はヒマで接客した人数も数人程度でしたけど、一応時給950円の契約だったんです」

もう1人いるバイト仲間に連絡をしてみると、同じく振り込まれていないことが判明。2人はオーナーに直接言いに行くことに。
「オーナーに給料が入っていないことを伝えると、『1人ずつ話したい』と。別室に行くと、いきなり『
美恵ちゃんはジェルネイル初級しか資格持っていないでしょ? それでお客さんからクレームが来たからしばらく予約は取らないことにしたの』と言われたんです。
ネイリストの資格にはネイリスト検定の他にジェルネイル検定というのがあって、私はそのときジェルネイル検定初級しか持っていなかったんです。でも、もちろんオーナーもそれを知っていたし、私の資格に合うアートをするお客さんしか付いていなかったのに、なぜ今それを言うの? と思いましたね。しかも、肝心のオーナーはネイリストの資格を一切持っていないんです」
結局、お給料の話もはぐらかされてしまった美恵さんはついに意を決して自治体の労働局に詳しい友人に相談をしました。

「友人には『
労働条件の不利益変更』と『
パワハラ』で相談したほうが良いと言われました。そこでお給料をもらえなかったバイトが一丸となってオーナーに『
給料を払わなかったら労働局に相談する』と言ったんです。
するとすぐに『給料は明日払います』との連絡があったので、後日再び銀行へ行くとまたもや未入金で……。すぐオーナーに連絡すると『
振込手数料がもったいないからサロンに取りに来てほしい』と言われて、もう呆れて何も言えませんでしたね……」
その後、どうにか給料をもらうことができた美恵さん達ですが、オープニングメンバーは全員退店したといいます。美恵さんは現在、ジェルネイル中級の資格をとり、新しいネイルサロンにバイトも決まったといいます。