足ふきマットは病原菌まみれ。不可避の洗礼
高温多湿で人が集う場所は、菌にとっても桃源郷。温浴事業コンサルタントの太田広氏が警鐘を鳴らす。

つま先立ちで歩きたくなるこの部分。気の利いた温浴施設では、タオルの交換がマメなだけでなく、サウナ用の館内着も用意している
「汗と垢と毛が蓄積した、脱衣所と浴室を繋ぐ足ふきマットは動線上不可避。マメに交換や殺菌消毒をしていない施設では水虫の原因の白癬菌を筆頭に、さまざまな雑菌が人間を待ち構えます。そのまま靴下をはけば水虫確実」
死の危険もあるレジオネラ菌にも要注意。配管や貯湯タンクを定期清掃していない施設の循環浴槽水などが感染経路になることも。
「蛇口や椅子の裏にぬめりがあるようなら、全体的に掃除の仕方が不十分かもしれません」
さらに、施設内の食事処でも、食中毒に感染する危険性がある。
「旅館やホテルと違ってサンプルを残す義務がないので、衛生管理が杜撰な施設も。調味料の容器やメニューの油汚れがひどいなら生ものは避けたいです」
“見えない敵”にご用心を。
★危険な行動パターン
□足を乾かさずに靴下をはく
□汚れの浮いた水風呂に浸かる
□ぬめった蛇口や椅子を使う
【大森真帆氏】
総合内科専門医。大森真帆麻布十番クリニック院長。慢性疾患や季節性の疾患など、豊富に内科の診療経験を持つほか、透析医学や抗加齢医学にも精通する
【枝久保達也氏】
鉄道ライター。元東京メトロ社員で都市交通史研究家。江東区・江戸川区を走った幻の電車「城東電気軌道」を研究。東京の都市交通を考えるブログ『Rail to Utopia』を運営
【太田広氏】
温浴事業コンサルタント。楽楽ホールディングス代表。入浴した温浴施設数は海外も含め1300超。年間330日以上と日本トップクラスでサウナと水風呂に入っている。愛称はサウナ王
―
病気になる家の特徴―