ただし、問題は上司や同僚たちへの対応。職場公認の仲になっていたので別れたことを知れば、騒ぎになるのは確実だったからです。
「今の彼が会社で頼られているのは事実ですし、いじめの過去を公表して評価を下げるつもりはありませんでした。それを彼に話すと『理由があったほうがいいから自分の浮気が原因ってことにする』と言ってくれので、申し訳ないと思いつつも任せました。
ただ、私もそんな彼と同じ職場で働くのは気まずかったので、すぐに転職して連絡も絶ってしまいました。その後のことはわかりません」
ちなみに手紙の送り主は今も不明とのことですが、別れてしばらくすると送られてくることもなくなったといいます。
「今は彼の過去を知ってよかったと思います。これが結婚後や子供が生まれた後だったら簡単に別れるわけにもいかず、もっと悩んだと思いますから」
過去にいじめ加害者でも、改心したなら許されるべきだ、と考える人もいるでしょう。でも、彼女のようないじめ被害者は、それを受容できないほど傷が深いのかもしれません。
―シリーズ「
私が彼に冷めた瞬間/彼が私に冷めた瞬間」―
<文/トシタカマサ イラスト/やましたともこ>
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ビジネスや旅行、サブカルなど幅広いジャンルを扱うフリーライター。リサーチャーとしても活動しており、大好物は一般男女のスカッと話やトンデモエピソード。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。