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高齢出産で妊娠中に起きやすい「合併症2つ」│医師に聞く

 過去3回にわたり、高齢妊娠・出産について、産婦人科医の富坂美織先生にお話を伺いました。今回は、高齢で妊娠した場合の妊娠中と出産時のリスクについて教えていただきます(以下、コメントは全て富坂先生)。
富坂美織先生

富坂美織先生

高齢出産にともなう妊娠中の合併症

 まずは、高齢出産の妊娠中のリスクについて話を聞きました。 「高齢出産の場合は、妊娠中に合併症を発症しやすくなります。特に知っておいてほしいのは、『妊娠高血圧症候群』と、『妊娠糖尿病』です。
高齢出産にともなう妊娠中の合併症

写真はイメージです(以下同)

妊娠高血圧症候群』は妊娠20週目以降で血圧が上がり、タンパク尿を伴うこともあります。妊婦さんの約20人に1人がかかる、比較的よくみる病気です。重症になると、けいれん発作や脳出血、赤ちゃんの状態悪化が起こることもあり、母子ともに大変な状態となる場合もあるため、注意が必要です。  治療は、安静、入院、薬物療法ですが、赤ちゃんの成熟が十分であれば、基本、赤ちゃんを出産して妊娠を終わらせることで、お母さんの状態はよくなります。高齢妊婦の他、肥満があったり、もともと糖尿病などにかかっている、多胎妊娠、初産婦の人などはリスクが高いので気をつけましょう。 『妊娠糖尿病』は、妊娠前は問題がなかったのに、妊娠中に高血糖となる病気です。全妊婦さんの7~9%がかかります。妊娠中は血糖値の厳重なコントロールが必要なため、しっかり妊婦健診を受けることが大切です。出産後は正常に戻ることもありますが、将来的に糖尿病にかかりやすくなるため、フォローアップも大切です

年齢とともに上がるリスク

 他にもまだリスクはあると続けます。 年齢とともに上がるリスク「妊婦さんの年齢とともに、染色体異常の確率も上がります。例えば、ダウン症候群をみると、妊婦さんの年齢が20歳では約1500人に1人の割合ですが、30歳になると約1000人に1人、35歳だと約400人に1人、40歳では約100人に1人、45歳になると約30人に1人の割合になります。  また年齢とともに、染色体異常のリスクが上がることに伴い、流産率も上昇します。流産とは、妊娠22週未満の妊娠中断をいいます。高齢になると卵子の老化もあり、受精卵の染色体異常の確率が上昇しますが、これが主な原因となって、流産率が上がることが知られています。  流産をすると妊婦さんは、自分を責めてしまいます。ですが実際のところ、お母さんの働きすぎや動かしすぎが原因で流産することは、ほとんどありません。初期流産の原因は受精卵側の染色体の異常が主な原因なので、自分の行動を責める必要はありません。  高齢出産時のリスクについては、連載の初回で、お産の時には、子宮の入り口の伸展が不足してしまいがちだったり、陣痛が弱かったり、お産までの時間が長引きやすく、妊婦さんも疲労しやすいので、帝王切開となる頻度も増加することをお話しました」  だからこそ、「バースプラン」にはこだわりすぎないほうがいいと言います。
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「バースプラン」とは
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