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夏の食中毒で恋が実ることも…「吐きそうな彼に惚れまして」

腹痛と吐き気が結んだ赤い糸

 結局、一行が群馬にたどり着いたのは、大洗を出てから6時間後。いつもの3倍近くもかかったそうですが、T君は家にたどり着くまで、上からも下からも出るモノをこらえ続けたとか。 「彼は今でもあの時の話になると、本当に辛かったと言います。そうそう、私たち今は結婚して一緒にアメリカに住んでいます」 アメリカ、NYの恋 この食中毒騒動がきっかけで2人の距離が急接近。T君がアメリカに帰ってからも、ひんぱんに連絡を取り合うようになり、半年後には遠距離恋愛が始まったそう。しかし、距離に耐えきれなかった絵麻さんは短大卒業と同時に渡米しました。 「まだ学生だった彼のアパートに転がり込んで楽しい生活を送っていたんですが、すぐに私が妊娠していることが発覚。渡米から4カ月後にはすでに入籍していました。今は2児の母です」  苦しむ姿を目の当たりにしても、変わらず好きでいられる心の優しさが生んだ夏の奇跡。散々な帰り道でしたが、2人の距離をぐっと近づけた6時間でもありました。確かにこれは2人にとって簡単には忘れられそうにない思い出ですね。  ちなみに、一緒に貝を食べていたT君の親友ももちろん食中毒になっていました。しかし、哀しいかな一人バイクで来ていた彼は車組と別行動。誰にも励まされることなく、時間をかけてゆっくりと群馬に帰ってきたそうです。 ―シリーズ「夏に起きたトンデモ」エピソード― <文/橘エコ イラスト/カツオ> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。
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