現場の仕事は華やかさの裏では精神的にも体力的にも厳しい世界。私がいた会社は縦社会中の縦社会で上司、先輩が絶対。
自分より年齢が下であっても、先に入社した人には逆らえないのです。たとえ理不尽なことでも 。
合コンの予定が入った先輩から、「明日の遅番、変わって」と言われたら、「夜に予定があるのでちょっと……」「遅番の翌日が早番なので……」だなんて、本当は嫌だと思っても断れません。
厳しい言葉が飛び交うこともピリピリとした空気も、人に対する接し方もそれが当たり前になっていく。誰かが叱咤されていてもいつもの光景だな、としか感じません。これって、ちょっとまともな状態ではないのかも。
フォローに入る人なんていなかった。そんな人間関係の希薄さも、「
何かあっても誰にも相談できない 」と思い詰めて退職を考える原因のひとつだったのではないでしょうか。入れ替わりが多く、悪循環は続きます。
第10話も終盤です。ここで私が青鬼と呼ばれるようになった話しをしましょう。
確かに私の教育、指導は優しくありませんでした。ですが、怒りに任せて叱るのではなく、冷静に淡々と叱るタイプ。イライラしたときもそう。「
何でこんなミスをしたの? 」「
この場合はこうでしょう? 」「
このミスのせいで、今から◯◯空港に電話をしなくちゃいけないんだよ、分かってる? 」と声のトーンを変えずに真顔で。違った意味で怖いですよね。
ある日、オフィスで新人さんに指導をしていたときのこと。怒ると顔を真っ赤にして声を荒げることで知られる上司もまた、別件で職員の指導をしていました。
無表情で冷静に話す私越しに見える激昂する上司。その様子がまるで青鬼と赤鬼に見えたのだとか。「
ねぇ、高木ちゃんの怒り方見て。青鬼だよ、あれは。うしろには赤鬼もいるし! 」、とその話しはすぐに先輩方の間に面白おかしく広まったというわけ。あっという間に私の耳にも入ってきましたし。でも、まさにそうだなとなんとも思いませんでした。
あ、自分のことをフォローするつもりはありませんが、青鬼が出没するのは仕事中だけです。休憩中や業務外では後輩たちとも普通に会話していましたので! たまには飲みにも行っていたし。「高木先輩が来るの?」と嫌がられていなかったらいいけど。
そんなこんなで、青鬼・高木は怖い先輩(同期にも怖がられる)として知れ渡ったのでした。
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グランドスタッフの裏話 VOL10―
<文/高木沙織>
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高木沙織
「美」と「健康」を手に入れるためのインナーケア・アウターケアとして、食と運動の両方からのアプローチを得意とする。食では、発酵食品ソムリエやスーパーフードエキスパート、雑穀マイスターなどの資格を有し、運動では、骨盤ヨガ、産前産後ヨガ、筋膜リリースヨガ、Core Power Yoga CPY®といった資格のもと執筆活動やさまざまなイベントクラスを担当。2021年からは、WEB小説の執筆も開始。Instagram:
@saori_takagi