そんな僕がどうやって生理を他人事ではなく自分事と考えるようになったかというと、仕事でセックスをする相手の女優さんが生理だと普通にセックスが出来ないという状況に何度もなったからです。経血を一時的に止めるため、海綿というスポンジ状の物を膣の中に入れなければならず、その出し入れが男優の仕事でした。
その際に、生理痛で立っているのも辛そうにしていたり、経血の処理をしてもらうことを申し訳ありませんと気まずそうにしている女優さんがいて、
僕に出来る事は何かなぁと考えるようになりました。
また、同棲した女性がPMS(月経前症候群)がひどくて、体調が悪いのもあってかなり不機嫌になる方でした。なので、
自分の身の安全のために生理の周期が他人事ではなくなったのです。
その方との付き合いを通し、女性の機嫌が悪い理由を全て生理のせいにして、機嫌が悪い女性を責めるのではなく受け流すようにしました。そしたらある時彼女から「
生理でイライラしてんじゃなくて、お前にイライラしてるんだよ」と言われ、さらに生理の輪郭が捉えられるようになりました。
それからは、
付き合う女性の生理だけでなく、その女性自体になるべく関心を持ち、できる範囲で協力しようと努めています。でも気配りが足らず吊るし上げられることも多々ありますが、生理も不機嫌も含め可愛いなーって思える相手と付き合うようにしています。
『生理ちゃん』という漫画が賞をとっていましたが、生理ちゃんという別人格が女性と一体化していると捉えると生理をイメージしやすいかもしれません。
そうなんです。女性は、自分の体にもう一つ別人格があって、それに自分の体が支配されてしまう機会が月に1回あるのです。人生を通して考えれば妊娠の時期もそうでしょう。でも男性にはありません。だから女性よりも圧倒的に、自分の体は自分でコントロールできるものだと勘違いしてしまうのです。そしてそれを女性にも無意識のうちに求めているのが世の多くの男性でしょう。
想像力の欠如は、思いやりや優しさの欠如だったりしますが、知識や情報が前提としてないんだと思います。
自分が体験していないことを想像するのは不可能に近いし、知識だけで想像するのも難しいです。それはセックスの話をしてるときにすごく痛感します。
相手と一体化して心で繋がってるようなセックスがあるんだよと言っても、体験したことない人は全くピンときません。映像でそのような状況を見たことあれば少しだけピンとくるようになりますが、自分のことに置き換えて考えられるかというと怪しいものです。千の言葉より一発のセックスという名言があるんですが、
自分が生理にならない限り男が当事者意識で理解することは無理なんです。