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古市憲寿さんが、芥川賞選考委員から酷評された深いわけ

古市憲寿氏の小説2作を読んでみた

古市憲寿「平成くん、さようなら」文藝春秋

古市憲寿「平成くん、さようなら」文藝春秋

 さて、そんな古市氏の小説を、イチ読者として前作とあわせて読んでみました。  まずは、初小説にして芥川賞の候補にもなった「平成くん、さようなら」。  平成を象徴する人物としてメディアに取り上げられ、UberやGoogle Homeを使いこなす現代的な生活を送る「平成(ひとなり)くん」が主人公。安楽死が認められているというパラレルワールドを舞台に、平成の終わりと共に安楽死をしたいと考える平成くんと、それを受け入れられない恋人の物語です。  この主人公、ハイブランドを着てタワーマンションに住み、性行為が苦手でセックストイを活用……など、読み進めるにつれて古市憲寿本人に脳内変換されていきました。  時代が猛スピードで進化していくなかで、死についてはまだまだアンタッチャブル。社会学者だからこそ描けたエンタメ作品ではないでしょうか。また、この作品はド直球なラブストーリーでもあり、あの古市氏がこんな人間臭い物語をつむぐなんて! という発見もあり楽しい読書体験でした。  そして、2度目の芥川賞ノミネート作、「百の夜は跳ねて」。  前作より小説として進化しているという感想が多く見受けられたように、より「文学作品!」という趣(おもむき)でページをめくる手が止まりませんでした。  高層で窓を拭きながら、同乗している女性清掃員に男性器を刺激される描写や、高層マンションに住む住人のこと、窓掃除の仕事をしている同僚に対して上から目線の主人公に、古市節(ぶし)を感じました。  一気読みするほどのめり込んだ古市作品ですが、選評委員の評を読むと、文学界のプロの目線はさすがで、素人目には分からなかった部分にザクザクと切り込んでいてさすがだと思いました。  実は、慶應義塾大学の入試で詩の賞をとったことをアピールしてAO(アドミッションオフィス)入試で合格している古市氏。小説家として今後どんな物語を生み出すのか楽しみですね。

芥川賞3度目の正直なるか?

 というわけで、今回の芥川賞選評から広がった「パクリ騒動」は、参考文献の作家本人が否定したことで、騒ぎは沈静化しつつあります。  とはいえ、大作家たちに「ものを創り出そうとする者としての矜持にかける」「作家としては致命的」とまで評されてしまった古市憲寿氏。3度目の芥川賞候補入はあるのか!?次の作品にも注目が集まりそうです。 <文/満知缶子、女子SPA!編集部> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
満知缶子
ミーハーなライター。主に芸能ネタ、ときどき恋愛エピソードも。
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