夫婦仲が最悪でも、離婚せずに仮面夫婦を続けるのはアリ?プロの見解
恋愛ジャーナリストのおおしまりえです。
世間には、すでに仮面夫婦になっているorなりかけている夫婦がゴマンといます。
別れるか別れないか。正解のない問題ですが、離婚が特別なことではなくなった今、悪化した夫婦関係はどう修復すればよいのでしょうか。プリマリタルカウンセラー(婚前に受けるカップルカウンセリング)のよしおかゆうみさんに話を聞きました。
「仮面夫婦を定義するなら、問題に向き合わず、本音の対話ができていない夫婦、あるいは、世間的に仲の良さを装う夫婦を指すと思っています。
まずお子さんがいない仮面夫婦の場合は、双方が今の関係値に満足していれば、安定が保たれるかもしれません。ただ、双方が不倫をしている家庭の場合は、単純に“夫婦関係が冷め切っている”と処理するのは危険です。
そもそもの原因は、夫婦の中で起きた苦しみや不満などを、お互い見せ合わずに外の不倫で発散している構図が多く見られます。離婚して不倫相手と一緒になっても、同じ問題を繰り返すので、根本的な解決にはなっていないのが難しいところですね」(よしおかさん、以下同)
どちらかというと、女性の相談者の方が目の前の物事を細かく見てしまい、不満や至らない点を見つけがちだといいます。でもその不満は相手の中にあるのではなく、自分の心の問題が関係している。そういった捉え方をして不満を解消し、対話をしていくことが大切と、前回もよしおかさんは教えてくれました。
【過去記事】⇒夫婦の愛はなぜ消えるの?仮面夫婦になる真相と、やり直すヒント
「しかし、子供がいる場合はもう少し状況は複雑です。なぜなら、両親の不自然な関係性や対等ではないコミュニケーションを、子供は無意識に察知するだけでなく、愛情のこじれなどを世代間連鎖というカタチで引き継ぐ可能性があるからです。
自分の気持ちと行動にズレがある状態を“心理的不協和”といいます。人は、この言行不一致の状態が続くと、自尊心が低くなります。自分への不信感は、周囲にも波及・拡散することがわかっています。なので、個人の鬱屈した感情ストレスは、家族全体のストレスを高めてしまうのです」
例えば、パートナーへの依存度が高い人は、両親や祖父母の世代にまでその原因が遡ることがあるんだそう。
子どもの頃に親が自分に依存している場合は、親の心を支える役目を負うという“親子逆転化”が生じます。すると、親に出すべき負の感情を出せず、溜め込むことを覚えます。その結果、パートナーにも本音を出せないまま結婚し、自分の感情や意思がわからなくなってしまうといいます。
それを見て育つ子どもも、同じように家族に本音を出さずに溜め込む癖を学んでしまう。家族のゆがみを戻そうとするとき、子どもは無意識に問題行動をとることもあるのだそう。
「子どもは特に母親の感情を敏感に察知し、共鳴します。子どもの前で激しい口論を繰り返すと、子どもの脳の発達が阻害される事も証明されています。ちなみに1番良くないのは、両親が憎しみあっていたり、憎み合っているのに表面上は仲良くしていたりする場合です。微妙な暗い空気感を本能的に察知するんですね。子どもって親の言うことは聞かないけれど、している事や生き様は真似るものです。だからこそ、誠実度の高いパートナーシップを心がけて欲しいなと思います」
双方が不倫している場合は問題が根深い
仮面夫婦が子どもに与える影響
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