手取り月18万の女性が、副業に転売ヤーの弟の手伝いを始めたら…
給料が少なくて生活の苦しい人であれば、一度は副業を考えたことがあるはず。近年は副業OKの会社が増えていますが、実際に副業をしている人は現時点では過半数には満たないようです。
2019年にディップ株式会社が行った「はたらこねっとユーザーアンケート -『副業について』」(※)によると、副業(Wワーク・掛け持ち)をしたことがある人は58%で、副業をする理由は「生活費の足しにするため」が最多の39%でした。
10月からの増税もあり、ますます生活費のために副業したい人が増えそうですが、きっかけがないと自分からはスタートできないという人もまだまだ少なくないのではないでしょうか。
「私も漠然と副業しようかなと考えたことはあるけど、会社が終わった後や土日に働くっていうのはキツそうだなって。
かといって資産運用はリスクもあるし、始めるだけのお金もありません(苦笑)。そんなことをグルグルと考えているだけで何もできなかったんです」
副業したくてもできないほかの人たちと同じだったと話すのは、内村彩奈さん(仮名・26歳/コールセンター)。副業を始めたのも自分から求人に応募したり、何かを始めたわけではなかったといいます。
「ある日、転売ヤーをしている弟に『お姉ちゃん、小遣い稼ぎしたくない?』って言われたんです。手取りで月18万5000円で都内ひとり暮らしをしていたので、正直ありがたかったですよ。
けど、変なことするのは嫌だったので詳しく聞いてみると、弟がやっているショーケース転売の商品補充を私に頼みたいとのことでした」
ちなみにショーケース転売とは、ボックス状の透明なアクリル棚を一般の方に貸し出し、借りた人はそこに売りたいモノを自由に並べることができるというもの。販売業務などはお店が代わりにやってくれ、利用者は毎月レンタル料を店側に払うシステムです。
秋葉原にはレンタルショーケース屋が何軒もあり、ほかにも中野や上野など各地にショップが点在。基本的にフィギュアをはじめとするキャラクターグッズが人気で、外国人観光客に飛ぶように売れるといいます。
「弟が借りている秋葉原のレンタルショーケース屋は、私が通勤ルートの途中にあり、会社帰りに寄れそうだったのでOKしました。
補充といってもコインロッカーほどの大きさのケースが数個分で、作業にかかる時間は10~15分ほど。帰宅途中に30分ほど寄り道する感覚でできる仕事だからいいかなって。実際にやってみたらラクでしたしね(笑)」
提示されたのは、平日のみ月10回の補充で報酬は2万円。補充用の商品は彩奈さんの自宅に送られてくるため、補充する日には大きめのバッグにフィギュアを詰め込んで会社に出社するそうです。
「箱に入れているわけじゃないので、そんなにかさばらないですよ。価値が下がっちゃいそうな気がしますけど、弟によると外国人は箱を捨てる人が多いらしいので」
ただし、週に何度も補充しているうちに売れ筋の商品は、なんとなくわかってきたとか。
「定番はドラゴンボールとワンピース。あと、忍者や侍っぽいキャラは売れてますね。NARUTOや銀魂、それとルパン三世の石川五ェ門とか。私もアニメや漫画が嫌いじゃないので、副業ではあるけど仕事って感覚はないかも(笑)」
でも、売れ筋がある程度わかるのであれば、自分で転売をやってみたほうが儲かりそうです。
「弟にも言われました。でも、転売しようって気にはならないんです。月に数十万円を売り上げている弟と違って、私がやっても必ず利益を出すとは限らないじゃないですか。
それに副業収入はたかが2万円と思われるかもしれませんが、今まで切り詰めて生活していた私にとって毎月2万円の余剰金が生まれるのはホントに大きい。上を見ればキリがないけど、とりあえずはこれで満足しています」
仕事の内容にもよりますが、副業で月2万円なら無理のない範囲で稼げそうなイメージはあります。
「増税しても変わらず安月給…」と悩む人にとって収入が月2万円増えるだけでも生活は変わるはず。副業を始めようと思っている方は、まずはここを目標にしてみるといいかもしれませんね。
※【調査概要】
実施機関:ディップ株式会社
調査方法:インターネット調査
調査対象:はたらこねっとユーザー
有効回答数:1144名
調査期間:2019年6月10日(月)~7月7日(日)
―シリーズ「お金がない!」―
<文/トシタカマサ イラスト/ワタナベチヒロ>
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トシタカマサ
一般男女のスカッと話やトンデモエピソードが大好物で、日夜収集に励んでいる。4年前から東京と地方の二拠点生活を満喫中。