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激務の航空会社に勤めていた女性が、今でもうなされる当時の悪夢

 こんにちは。ライターの高木沙織です。  かつてグラホ(グランドホステスの略、現在のグランドスタッフ)として6年間勤務していた私。みなさんも空港で接する、航空会社の地上職員です。
グラホ裏話14話 時間を守れない人はグラホに向かないワケ

写真はイメージです(以下同)

 前回は、カメラのフィルムケースにメダカを隠し持って飛行機に乗ろうとしたトンデモ男性客のエピソードを紹介しました。しかもメダカのせいで二股がバレて空港で修羅場に…。 【第13話】⇒空港の手荷物検査でメダカを隠していた男性、ついでに浮気もバレたワケ  今回の14話は出発担当のグラホと“時間”のお話しです。みなさんは空港内、特に出発フロアや出発ゲートで働くグラホを見て、「せかせかしているなー」と思ったことはありませんか? 笑顔を作ってはいるけれど目の奥が笑っていない感じ、私もそうでした。

時間厳守できないなら、航空業界は無理?

時間厳守ができないなら、航空業界では働けない」、しょっぱなからまぁ厳しい言葉。そしてこれ、6年間グラホをしてきた私が肝に銘じ続けていたことでもあります。  もちろん、時間厳守というのはほかの業種においても大事なルール。ですが、航空会社はちょっと特殊。出勤日に時間から解放されることはないと思ってください。  というのも、私たち出発班に所属するグラホの仕事は「飛行機を定刻で出発させること」だから。到着班(到着機材が出発機材になるから)や予約・発券班、燃料計算をするスタッフ、オフィススタッフなど全員のチーム作業ではあるのですが、出発班の仕事ぶりは大きく関係してきます。

時間に追われすぎて心に余裕がない

時間厳守できないなら、航空業界は無理? 私が入社した航空会社では一日に出発便が複数ありましたが、幸いにも出発時刻が丸々かぶるフライトはありませんでした。……が、それでもチェックイン開始時刻から締め切り時刻、ゲートスタッフと連携を取りながらお客様を機内へと搭乗させドアクローズし、飛行機が出発できる位置まで押し出されるプッシュバックをするまで時間が命!  神経をすり減らし、時計と睨めっこしながら「早く、早く!」とそのときを願うのです。ちなみにこのプッシュバックの時間がわずかにでも遅れようものなら、上から大目玉。「今日の責任者は誰? なんで遅れたのか今すぐ説明!」という感じ。 「先輩、目が笑ってないですよ」、と後輩からいじられてもその言葉は耳をかすめるだけです。神経質にならざるを得ず、「今、それいいから」なんて冷たい返しをしたこともあったな。怖い先輩ですね。  そんな仕事です。時間の管理が苦手な人にはちょっと難しいかもしれません。当時すでに青鬼と呼ばれていた私(詳しくは第10話)にとって遅刻やランチ・休憩からの戻り時間が遅いスタッフは怒りの対象。いつも通りの抑揚のない声で「何分遅れたと思ってるの? 遅れる理由があるなら先に連絡しなさい」と、後輩だけでなく同期にも説教をしていたくらいですから。 【第10話】⇒航空会社、女の上下関係「新人を泣かせて青鬼と呼ばれてました」
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勤続年数が長くなるほど過酷になる仕事
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