超嫉妬深い彼のために29kg太った私。「男が見向きしないよう太って」と要求され…
「なんで他の男とLINEしてんだよ!」
「男がいる飲み会に行くの禁止な」
世間に無数に溢れる束縛エピソード。今回は、そんな数ある束縛話の中でもかなり強烈な、「誰にも相手をされなくなるように太れ」と命じた男(以下、肥やす男)のお話です。
私はクズ男製造機 ~憎めない男たちとの最高な思い出~』(インプレス刊、10月1日発売)と題する本を出すにまでいたったフリーライターの北崎りょうさん。その北崎さんに「太れ」と命じた、恐ろしく嫉妬深い男とは――。(以下、北崎さんの寄稿)
男の人には、女性の体型について、なんだかんだちょっとしたこだわりがあると思います。線が細くて華奢なタイプが好きな人。きれいに筋肉がついた子鹿みたいな体つきが好きな人。おっぱいやお尻がむっちりしている女性を好む人。「肥やす男」と付き合った時の私は、21歳、身長162cm、体重46kg、Eカップで、自分で言うのもなんだけどわりと魅力的でした。
肥やす男は29歳の大手企業のサラリーマン。若くて細くて、いまよりも見栄えが良かった私は、彼と付き合い始めてたった半年で29kg太り、細かった手足は丸太のようになり、くびれていたウエストは消滅して樽のようになってしまいました。なんでそんなことになったかと言うと、「太って」って言われたから。
「デブ専の話か」って思いましたか? いいえ、彼はデブ専ではありませんよ。むしろ私の体型が好きで、付き合いだしたノーマルタイプ。なのに、私に太れって命じたんです。その理由は嫉妬。「誰にも相手にされないくらい太れ」って。
彼は人の十倍くらい嫉妬深くて、他の男性と出かけることはもちろん、メールや電話でやりとりすることも禁じていました。会社の飲み会も参加禁止で、どうしても避けられない飲み会は午後九時までに帰宅することって決められていました。リアルな社会生活で嫉妬するのはまだいいんです。でも、とうとう彼の嫉妬は妄想の世界に飛び込んでしまったんです。
「りょうはいつも他の男に色目を使っているよね」
色目を使いたくても使う相手がいません。携帯に登録されていた男友達は全部削除されちゃいましたし、会社でも「超絶嫉妬深い男がいる女」として有名でした。そもそも彼の前で男の人と話したことはありません。なのに、色目を使っている呼ばわり。
もう無理ですよね。そのレベルで嫉妬されたら、どうしようもありません。私がいくら好きって言ったって、他の男の人と話さなくたって、妄想の世界で勝手に嫉妬して怒るんだから手の施しようがないんです。
でも、さすがに彼も自分の異常性に気づいたんでしょうね。そして、その感情をどうすることもできないこともわかっていたんでしょう。だから私に言ったんです。
「誰にも見向きされなくなるくらい太って」
これまで数多くのクズ男と出会ってきた経験から、『