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超嫉妬深い彼のために29kg太った私。「男が見向きしないよう太って」と要求され…

太りすぎて妊婦さんに間違われる始末

 結果、選ぶ服はチュニックばかり。しかも胸の下で切り返しているデザイン。当時は何度妊婦さんに間違われたかわかりません。年末ジャンボが5万円当たって換金しに行ったら、売り場のおばさまに満面の笑みで、「妊婦さんは当たりやすいのよ! おめでとう」って言われたこともありましたね。 落ち込む女性 引きこもる女性 だんだん自己嫌悪を募らせた私は、自暴自棄になってお化粧もしなくなり、髪の毛もバサバサ。家に引きこもるようになりました。そして、とうとう目覚めました。こんなの嫌だって。ダイエットを決意した私は、病気を疑われるスピードでみるみるうちに痩せていき、半年かけて元の体重に戻りました。ほっそりとしたウエストにシュッとした足。彼は少し寂しそうでしたが、「りょうがそれで幸せならいいよ」と言ってくれました。

「肥やす男」との別れ

 そして痩せたことで、引きこもりがちだった生活も改善され、外に出るようになった私には、新しく好きな人ができて、最終的には肥やす男の元を去りました。  でも今、ちょっとだけ彼のまっすぐな瞳を懐かしく思うこともあります。あんなに私だけを見て、私だけのことを考えてくれる人は後にも先にも現れないかもしれないって。色んな男の人と付き合いましたが、愛情の深さも人それぞれで表現方法も千差万別。 「俺のために太れ、俺のものだけになれ」なんて思ってても、なかなか言えるもんじゃありません。あのまま彼のそばにいたら、不安も心配もなくぬくぬくと暮らせていたのかな、なんて妄想しちゃいます。  ちなみに、あの時太っていたおかげで、長女を出産した時に妊娠線ができませんでした。何度も妊婦さんと間違えられた立派な自腹でしたから、皮も妊婦さん並みに伸びていたんですね。妊娠線がないツルツルのお腹を誇らしげに撫でながら、太らせてくれてありがとうって、ちょっとだけ肥やす男に感謝。 <文/北崎りょう> 福岡生まれ福岡育ち、東京在住。地方国立大学を中退後、キャバクラ嬢から商社へ。独身時代は様々な相手と交際を重ねていたものの、結婚。子どもを授かり、のちに離婚した。現在は、自身の離婚や家族の借金、母子家庭育児などの経験をもとにフリーライターとして活動中。ツイッター:@kitasakiryo
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