彩花さんが見てしまったもの……、それは散らばったインコの羽だったのです。

写真はイメージです
「ダンボールの周りに散らばった羽を見て、すぐにあの行方不明になったインコのものだと分かりました。
といってもキレイな羽が数本落ちていた程度だし、子猫のしわざなのかカラスか何かに襲われたのかわからないのですが…。
うちのインコはいくら室内で飼っているとはいえ、このままではキューちゃんの命が危ないと思い、ひとまず友人の家に一時避難させました。
その後すぐに子猫を保護して、動物保護団体に連絡して引き取ってもらいました」
その後、子猫は無事に里親が見つかったそう。当時のことを彩花さんはこう振り返ります。
「さすがに、いなくなったインコの飼い主さんにこのことは伝えられませんでした。その人も子猫にエサをあげていたりしていたので、少なからずショックを受けてしまいそうだなと思って」
あれから数年後、キューちゃんは寿命で亡くなってしまいましたが、彩花さんはいまだに野良猫を見るとあのときのことを思い出すといいます。でも、猫であれカラスであれ、他の小動物を襲ったとしても、悪気があるわけはなく生きるためにやったことです。
野良猫を見つけると保健所に通報してしまう人もいますが、今回は彩花さんが保護したおかげで小さな命が守られました。
飼い鳥が逃げるようなことはまれでしょうが、外猫については保護団体などに相談してできれば里親探しをしたほうが、無用なトラブルを避けることができそうです。
※内閣府「動物愛護に関する世論調査」2010年。何らかのペットを買っているのは34.3%。
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ペットにまつわる悲喜こもごも―
<文/結城>
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ライター・社会取材系。子育てや家庭問題、現代の生きづらさなど、社会の現実に根ざしたテーマを取材し、読者に考えるきっかけを届ける記事を執筆。