結果これを機に、柴田の注目度は急上昇。仕事も一気に増加し、昔のような立ち位置を取り戻しつつありました。出身地である静岡のテレビ局でもレギュラーを獲得したり(現在は終了)、『アンタッチャブル柴田のアニマル調査団』(講談社刊)などの書籍を出すほどに詳しい野生動物の生態にまつわる番組にも出演。2019年4月からはラジオ番組『なな→きゅう』(文化放送)の水曜パーソナリティーも務めています。

アンタッチャブル柴田英嗣著『アンタッチャブル柴田英嗣の日本一やかましい動物図鑑』(2009年7月15日発売、講談社)
ところが、ここまで来ても柴田とザキヤマが共演することはありませんでした。折に触れ、先輩芸人たちが「コンビ復活はないのか」と柴田に促しても、かんばしい返事はなかったようです。
そもそも、なぜ2人は共演NGのような状態になってしまったのか。これについては真相は明らかになっていません。
2人が不仲であった説も根強くありましたが、11月16日放送の『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で最近では2カ月に1回ほど飲みに行くような関係にあったと柴田は発言しています。
ただ、2015年の『ダウンタウンなう』での出演時、
ザキヤマから現状での復活は「俺が手を差し伸べるみたいでキャラに合わない」と言われたことがあったと言っていました。さらに「おまえの実力で俺のところまで来てくれないか」とも。ザキヤマは柴田が実力で再び表舞台に立つようになれば、周囲も復活を望むようになり自然とコンビ再開となると踏んでいたのでしょう。逆に言えば、それほどまでにザキヤマは柴田の力を認めていたというわけです。
何はともあれ、今回の件を以ってアンタッチャブルはようやくコンビ復活の道を歩み始めました。12月8日19時から放送の『THE MANZAIマスターズ2019』(フジテレビ系)では、10年ぶりの新作漫才を披露することが決定しています。M-1グランプリで過去最高点数を獲得した実力派コンビであるアンタッチャブル。彼らの復活が2020年のバラエティ界に大旋風を巻き起こしてくれることを強く期待しています。
<文/もちづき千代子>
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フリーライター。日大芸術学部放送学科卒業後、映像エディター・メーカー広報・WEBサイト編集長を経て、2015年よりフリーライターとして活動を開始。インコと白子と酎ハイをこよなく愛している。Twitter:
@kyan__tama