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『まだ結婚できない男』最終回、“おひとりさま”阿部寛の言葉に吉田羊が涙

 俳優の阿部寛(55)主演のドラマ『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時~)が最終回をむかえました。作品では、高慢で皮肉屋の主人公・桑野信介(阿部寛)の独身生活がコミカルに、そしてリアルに描かれていました。
『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時~)

『まだ結婚できない男』(カンテレ・フジテレビ系、火曜午後9時~、画像:公式サイトより)

法廷でまどかと直接対決をする桑野

 桑野は木村(伊藤正之)の家を設計を担当しているのですが、木村は離婚する妻から建築差し止め訴訟を起こされます。  妻側の弁護人には、吉山まどか(吉田羊)がつき、木村は離婚後に別の女性と住むのではないかと疑われます。そこで、桑野が証人台に立ち、木村の家が一人暮らしを満喫するために作られた設計になっていることを、説明するのでした。  証言の最後に、桑野は「新しい家に別の女性と住むはず、と思うのは邪念だ」とまどかに言います。しかし、この発言にまどかは応戦。「誰かと暮らしたい、ひとりは寂しいと思うのは人として自然でしょ」と法廷でぶつかりあうのでした。  単身で上京し、事務所をかまえて一人で気丈に生きてきたまどかの「ひとりは寂しい」という本音がこぼれます。

まだ結婚できない男が初めて素直になる

 法廷で、本音でぶつかりあう桑野とまどかを見た田中有希江(稲盛いずみ)は「桑野さんとあんなにケンカできるのはまどかだけ。ケンカできるってことは向き合っているということよ」とまどかの気持ちを後押しします。  しかし、長野に住む母親の体調が悪くなり、まどかは長野に帰って母の弁護士事務所を継ぐ決断をするのでした。  決断をしたものの、まだ迷いがぬぐえないまどかは、桑野に「もしかして行かないでほしいと誰かが言ってくれたら……」と胸のうちをさらします。今まで、ケンカばかりしていたまどかと桑野でしたが、ここでまどかが桑野の気持ちを試す形となりました。この言葉に桑野は激しく動揺、その後まどかを呼び出し「あなたがいないとつまらないし、寂しくなる」とまどかを引き止めるのでした。  桑野の言葉に涙したまどかは「男性にそういうこと言われるって、うれしいもんですね」と答え、東京に残ることを決意します。

最終回まで疑問点残る急展開

 主人公である桑野とヒロインであるまどかが、気持ちを通じ合いハッピーエンドで最終回をむかえました。この結末に安心しつつも、「まどかはいつ桑野のことを好きになったのか」「有希江は、なぜ三角関係から身をひいたのか」等、やはり最後までいつ・なぜの急な展開が続いたような気がします

人生100年時代の結婚観とは

『結婚できない男』の続編である今作品は、「13年ぶりに結婚できない男が帰ってきた」というフレーズとともに、結婚しないことも当たり前の現代の結婚観がテーマに描かれていました。  そして桑野は初回で「人生100年、人生には必ずセカンドステージが来ます。結婚してもしなくても。セカンドステージが幸せかどうかには関係ないんです。そこに人生の本質はありません」と熱く語っています。  実際に『まだ結婚できない男』には、結婚しない桑野やまどか・結婚したけど離婚した有希江・これから結婚する村上英治(塚本高史)・離婚する予定だったけど関係を再構築した木村など、結婚をめぐり様々な立場の人が登場しました。そして、不器用ながらも懸命に生きる彼らを通じて「自分の気持ちに素直に誠実に生きること」を指し示してもらったように思います。  大きな事件や出来事は起きませんが、それゆえに毎回安心してみることができる貴重なドラマでした。日常の優しいできことや、温かいエピソードがたくさんつめこまれていて、誰も傷つけることのない阿部寛の最高の演技に毎回爆笑。人間味あふれる主人公を通じて、まさに「結婚していてもしていなくても、そこに人生の本質はないこと」を感じさせるステキなドラマだったように思います。 <文/瀧戸詠未>
瀧戸詠未
大手教育系会社、出版社勤務を経てフリーランスライターに。教育系・エンタメ系の記事を中心に取材記事を執筆。X:@YlujuzJvzsLUwkB
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