――やはり風呂掃除は手抜きが難しいですね……。
松本「風呂掃除に限ったことではないですが、まとめてやろうとするから大変なんです(笑)。汚れるところは決まっているので、
風呂上がりに雑巾や体を拭いた後のバスタオルなどで水滴を拭くとか、その都度ちょちょっと掃除すれば汚れが溜まることはそんなにないはずです。それでも落ちない汚れに対してどうアプローチしていくかを考えればいいだけなので、掃除のポイントを押さえればそれほど苦にならないと思いますよ」
――汚れが混在しているだけに、洗剤の使い分けなども面倒に感じてしまいます。
松本「楽あれば苦あり。1本で水あかも油汚れも落ちる万能洗剤とか、こすらなくてもすべての汚れが根こそぎ取れる洗剤なんて科学的にあり得ないので、『
これひとつで風呂掃除オールOK』とはいかないでしょうね。
だから、使い分けたり、多少の労力が必要になったりはしますが、『どういう場面でどれをどう使うか』ということを考えれば、最小限できれいを維持できます。化学の力はサポート役だと思って、日頃からちょこちょこ掃除をしつつ、疲れているときや掃除が面倒なときに上手に頼ればいいのではないでしょうか」
結局、「この洗剤で全部いける」とか「こすらなくていい」とかいう魔法は、ないんですね。来年は「日頃からちょこちょこ掃除」を心がけようと思いつつ、来年末も同じこと言ってそう…。
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松本忠男さんに聞く健康掃除のコツ―
【松本忠男】
東京ディズニーランドの開園時の正社員、ダスキンヘルスケアを経て、亀田総合病院のグループ会社に転職。清掃管理者として約10年間、現場のマネジメントや営業に従事。1997年、医療関連サービスのトータルマネジメントを事業目的として、株式会社プラナを設立。日本ヘルスケアクリーニング協会代表理事。亀田総合病院では100人近く、横浜市立市民病院では約40人のスタッフを指導し、現場で体得したコツやノウハウを、医療、介護施設、清掃会社に提供している。
<取材・文/千葉こころ>
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ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。