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秋ドラマの女優ベスト3。高畑充希がクセ役、波瑠がフツーを演じた今期

 悲しいことや辛いことも多い日々、お気に入りのドラマはお手軽に一服の清涼剤となってくれます。時には苦しい胸の内を登場人物が代弁して、カタルシスをもたらしてくれたり。華やかな女優の泥臭い演技に自分を重ね合わせてしまうことも。  今期はその演技に魅了された女優がちらほらいたのですが、この企画では毎クール3人にしぼって表彰しています。ドラマウォッチャー・林らいみが独断と偏見で選んだ秋ドラマのベストアクトレスはこちら。

名演賞 吉谷彩子『グランメゾン東京』目で揺れ動く感情を表現

『グランメゾン東京』(TBS系列)で生意気なパティシエを演じた吉谷彩子は、2017年に同枠で放送された『陸王』にも年若い女性従業員役で出演。印象がまるで違ったので、同一人物であることになかなか気付かず。
 さっぱりとして自由奔放な性格を感じられる口ぶりがごく自然な彼女。感情が高ぶって最後は涙声になった「この店で働かせてください」というセリフはグッときました。  そして、何より惹き付けられたのは小さく揺れる大きな目。どんなに自信たっぷりな口調でも、あの目が緊張や戸惑い、恐れといった揺れ動く感情を表現。だから、たとえ黙っていても、ふいに動かした視線から彼女の気持ちを読みとることができました。

名演賞 高畑充希『同期のサクラ』無表情なキャラを存在感たっぷりに

 一方、ビー玉のような目から感情を読み取れなかったのが、『同期のサクラ』(日本テレビ系列)の主人公・サクラを演じた高畑充希。誰に対しても忖度をせず、まっすぐ正直というキャラクターをしっかりと体現。  彼女の場合は無表情が非常にイイ。そこから繰り出される感情豊かなセリフが際立って、独特なキャラの設定に成功していたように思います。  前のめりの走り方や写真を撮るときののけぞるような姿勢など、ユニークで印象的な体の使い方もまたしかり。小さな体から誰よりもエネルギーを発しながら、右へならえの社会における異分子的な存在として演じられるサクラは存在感たっぷりでした。
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