“カルビ味のチキン”を大流行させた、韓国超ヒットコメディを監督が語る
韓国動員1,600万人突破。韓国歴代興収ランキング第1位に輝いたメガヒット作『エクストリーム・ジョブ』が、20年1月3日(金)に日本公開された。
成績が上がらず、後がない麻薬捜査班が、国際犯罪組織の国内麻薬密搬入情報をキャッチして犯罪組織のアジト前にあるチキン屋に潜伏するも、まさかの絶対味覚を有する刑事の隠れた才能で、チキン屋は一躍名店として大繁盛! 昼はフライドチキン屋、夜は麻薬捜査班という“揚げる大捜査線”が爆笑と感動を誘う本作は、韓国映画ならではの痛快な一作だ。
このほど本作のイ・ビョンホン監督に撮影裏話などをうかがった。
●まずは本作を制作するに至った経緯を教えてください。
このシナリオには初案があって、これを元に製作会社の人たちと別のシナリオ作家の方たちが脚色をしました。それを製作会社の代表がわたしのところに持ってきて、「監督をしてほしい」と依頼があったわけですね。設定がすごく面白かったので、そこに自分のアイデアを足していければ楽しいものになるだろうということで、監督をすることを決意しました。
●設定が面白かったとは、具体的にはどのことで?
まず、大きな設定は最終形と同じままです。闇の犯罪組織を暴くために刑事たちが潜入をするけれども、その張り込みをしていたチキン屋が大繁盛していくというストーリーは最初からありました。それは一行程度の文字でしたが、それだけで面白い設定だと思いました。これなら正統派のコメディー作品として、本当に楽しい面白い作品になると。
●なんでも韓国では、劇中のセリフが大流行したそうですね。
「これはカルビなのかチキンなのか」というセリフがあるのですが、このセリフも最初にありました。それを最初に脚本で見た時も大笑いしました。

●韓国で興行収入ナンバーワンを記録したことで、周りの環境、変化はありましたか? 急に親戚が増えるとか?
以前『二十歳』という映画を撮って小さな成功を収めたことがありますが、その時は友だちや親戚が逆に減りました(笑)。それくらいで、今回大きな変化はなかったですね。次の作品を撮る時に以前よりも撮りやすくなったくらいで、大きな変化はなかったです。
●なぜ減っちゃったんですか?
実はわたしの取り分が少なくてですね、成功したといってもわたしの元にはまったくお金が入らず、でもまわりの人たちは成功したからお金が入っただろうと誤解して、近寄って来る人たちが多かった。でもお金がないということがわかり、身辺整理ができました(笑)。
●本当の友が残ったと!
そうです、その通りです。いまはそういうストレスがなくなりましたよ。
●大変良かったと思います。また、キャストたちから、祝福の言葉などはありましたか?
しょっちゅう会ってはいたので、そのなかでお互いにお祝いの言葉を交わしてはいました。ただ実はこの映画を撮っている時は、俳優もわたしも切迫した状況だったんです。前作が失敗したりしていて、みんな後がなかった。だからこの映画が成功したということは、単なる興行収入以上のものがありましたね。

映画『エクストリーム・ジョブ』
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「これはカルビなのかチキンなのか」というセリフが流行

メガホンを取るイ・ビョンホン監督
俳優も監督も「後がない状況」だった
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監督:イ・ビョンホン『二十歳』
出演:リュ・スンリョン『7番房の奇跡』『王になった男』
イ・ハニ『私は王である!』
チン・ソンギュ『犯罪都市』
イ・ドンフィ『ベテラン』
コンミョン<5urprise>「ハベクの新婦」
(2020年1月3日 シネマート新宿ほか 全国ロードショー)
出演:リュ・スンリョン『7番房の奇跡』『王になった男』
イ・ハニ『私は王である!』
チン・ソンギュ『犯罪都市』
イ・ドンフィ『ベテラン』
コンミョン<5urprise>「ハベクの新婦」
(2020年1月3日 シネマート新宿ほか 全国ロードショー)