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王室離脱のメーガン妃は「オノ・ヨーコした」?物議をかもす表現の背景は…

 イギリスのヘンリー王子とメーガン妃(サセックス公爵夫妻)が王室の高位メンバーから退くと発表した問題で、イギリス国内からの批判が高まっている中、メーガン妃を「ヨーコ・オノ」と比較するツイッターが話題に。
 これをきっかけに、イギリスメディアのメーガン妃に対する差別的な報道や二人の今後の行末に、SNSやメディアで物申す人が続出しています。

死語状態だったスラング「Yoko Ono-ing」

「メーガン妃が英王室をヨーコ・オノ(yoko ono-ing)したことを誇りに思う」  こうつぶやいたのは、アメリカ人コメディアンZiwe Fumudoh(ジーエ・フムドゥ)。もちろんここで言う「ヨーコ・オノ」とは故ジョン・レノンの妻として知られる、日本人アーティストのオノ・ヨーコさん(86)。
 ビートルズ解散当初、その原因を「ヨーコがジョンに近づいたからだ」と彼女のせいにする風潮が一部ファンに強かったことから、彼氏や夫が所属するグループを崩壊に追い込む女性を言い表す「Yoko Onoing」というスラングが誕生したそう。  今回の王室離脱宣言についても「メーガン妃の影響が色濃い」という論調が強いため、オノ・ヨーコさんがビートルズに与えた影響を引き合いに出す人が多くなっているようです。  とはいえ、今や「Yoko Onoing」を使っている人は英語ネイティヴでも少なく、中には「初めて聞いた」「懐かしいワード」とコメントしている人もおり、もはや死語となっている模様。  音楽好きの米国人男性(35)に聞いたところ、「自分では使ったことも聞いたこともないけど、どうせいい意味じゃないんでしょ。なぜかヨーコに悪いイメージを持つビートルズファンは今もいるみたいだからね。だいたいどんな意味かは想像つくよ」とのことでした。
ジョン・レノン&オノ・ヨーコ 『ダブル・ファンタジー』ユニバーサル ミュージック

ジョン・レノン&オノ・ヨーコ 『ダブル・ファンタジー』ユニバーサル ミュージック

 逆に、この表現に敏感に反応したのはオノ・ヨーコさんの同郷である日本人たち。 『ロケットニュース』の姉妹サイトで英語メディアの『ソラニュース24』は、いいね!が9800以上ついている、この件についての日本語ツイートを取り上げ「日本のツイッターユーザー、Yoko Onoの動詞化に驚く」という記事を投稿しています。 「日本にも『サークルクラッシャー(サークル内の人間関係を崩壊させる人物)』という同様の概念はあるものの、日本人の頭の中ではそれがすぐに『Yoko Ono』と結びつかないようで、驚きを隠せないようだ」と。

英タブロイド紙の差別的な報道、でもセレブや世論は?

 しかし、「yoko ono」「meghan」の組み合わせをツイッターで調べてみると、単純に否定的な意見ばかりではないようです。  イギリスのタブロイド紙がかねてから、メーガン妃が「アメリカ人」「元女優」「年上女性」「離婚歴あり」「アフリカン・アメリカン系」であることをネタに、人種・性差別的な報道をしてきたことは衆知の事実。メーガン妃とケイト妃(ヘンリー王子の兄、ウィリアム王子の妻でイギリス出身の白人女性)に対するメディアの扱いの違いは露骨すぎて、見ているこっちの気分まで悪くなってきそうですが……、長くなるので割愛させていただきます。  そうしたメデイアのやり方に嫌悪感を持っているツイッターユーザーはイギリス国内外を問わず多いようで、今回の二人の決断を擁護するツイートも複数見受けられます。
 たとえば、前述したアメリカ人コメディアン・フムドゥのツイートも、英国メディアのやり方や二人をサポートしようとしなかった王室に中指を立てるような内容。  他にも「ビートルズの解散はヨーコ・オノのせいじゃないし、王室離脱はメーガン一人の案ではない。二人で決めたことなのにメーガンだけ悪者にされるのはおかしい」「メーガン新ヨーコ説は、違う人種の女性が白人男性をたぶらかすのはけしからんという、非常に差別的な見方から生まれたもので最低」とする意見もありました。  また、歌手で女優のベッド・ミドラー、インド系アメリカ人女優のミンディ・カリング、人気司会者アンディ・コーエンなどが、二人を応援するツイートを投稿。先日は俳優のヒュー・グラントがテレビ番組に出演した際に「ヘンリー王子を支持する」とコメントしています。
ヒュー・グラント

ヒュー・グラント

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アメリカ人の43%が王室離脱騒動を知らなかった?
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