アメリカ系タブロイド紙もメーガン妃について面白おかしく書くことはありますが、「王子をたぶらかしたよそ者」「我らが偉大なるエリザベス女王の顔に泥を塗る女」のような、イジメとも差別的とも取れる論調は、イギリスのタブロイド紙と比べて少ないように思います。
長い歴史を持たないアメリカでは、年配の女性を中心に王室憧れの強い人が多く、メーガン妃の英王室入りが決まったときも、
世論は総じて「よくやったメーガン!」という空気でした。

一面で報じるニューヨークポスト https://nypost.com/cover/covers-for-november-28-2017/
しかし、今年は年始からイランとの対立関係が深まり、トランプ大統領は弾劾訴追され、大統領選挙も控えるなど、アメリカには他国の王室のお家騒動にかまっている暇はないというのが現状。「メーガンが王室をヨーコ・オノしようが、何しようが、ほとんどの人類には関係ないこと」「王室離脱?知らないな」とする声も目立っています。
実際、『USAトゥデイ USA Today』によると、アメリカ人の50%が「サセックス公爵夫妻の王室離脱を支持する」と答える一方で、43%がこのニュースを知らないと答えたそう(YouGov社調べ)。
一方、イギリス人はどちらかというと二人の結婚時よりも、二人の王室離脱報道の方により高い興味を示しているというから、ここでも国民性の違いが伺えます。

ヘンリー王子(右)、アーチー君を抱いたメーガン妃(左)
1月10日、 『ザ・ニューヨークタイムズ The New York Times』は、ヘンリー王子とメーガン妃の王室離脱宣言に至るまでの経緯と、二人を目の敵にする英タブロイド紙の報道、英国民の複雑な感情を紹介した上で、米国の学生に意見を求める記事をオンライン版で公開しました。
すると、大多数の学生が、今回の騒動について「二人の決断を支持する」とコメント。「王室メンバーであってもプライバシーは必要。差別的な発言は許せない」「大人なのだから好きにすればいい。炎上している理由が分からない」「タブロイド紙が書くことなんて嘘ばかりだということは誰でも知っている。気にする必要はない」と、至極まっとうな意見が寄せられました。
みんなこんなに物分りのいい人ばかりなら、メーガン妃も苦労はしないのに……。そう思わずにはいられない記事でした。
Source:「
Sora News24」「
USA Today」「
The New York Times」
<文/橘エコ>
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橘エコ
アメリカ在住のアラフォー。 出版社勤務を経て、2004年に渡米。ゴシップ情報やアメリカ現地の様子を定点観測してはその実情を発信中。