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交際2か月でスピード婚を決めた美男美女カップルの末路

 こんにちは。おまみこと、長谷川真美です。6年のウェディングプランナーの経験を経て、式場専門のコンサルタント、プランナー養成講座の主催、フリーランスのウェディングプランナーをしています。
結婚式 ハグ

写真はイメージです(以下同じ)

 幸せな場面に立ち会うことの方が多いウェディングプランナーですが、残念ながら、そうではない場面にも立ち会うこともあります。今回は、映画のような美男美女にまつわるエピソード。

出会いはたまたま、交際2か月のスピード婚

 そのおふたりにお会いしたときの第一印象は、絵に描いたような美男美女。とても見惚れてしまいました。  職業は、新郎は大手商社に、新婦は大手企業の秘書課に勤めていました。シンプルでありながらも、センスよく上質なものを身に纏っていたおふたりは、他のお客様からも大注目。あまり不躾にならない程度に、おふたりの出会いについても聞きます。  すると、新郎は「たまたま居合わせた居酒屋で、『あぁ、かわいいコがいるな』と思って……」、新婦も同じように「『あの人、タイプ!』って思いました」と答えてくださいました。偶然、その居酒屋でお手洗いに立ったタイミングが合い、新郎から新婦に声を掛け、その場で連絡先を交換、とんとん拍子でお付き合いがスタート、そして、2ヶ月の交際を経て、結婚することを決めた、とのこと。

とんとん拍子で話は進み、その場で式も予約

 その地域では適齢期を少し上回ったくらいの年齢だったため、お互いに「もう結婚することはないだろうな……」と思っていたそう。おふたりの結婚にいちばん驚いていたのは、おふたりご自身でした。「結婚って、決まるときは決まるんだなって……」と、心底喜ぶ様子というよりは、自然な流れでそうなったという様子だったのです。  おふたりは、しきりに「年齢も年齢だから」と言われ、派手な結婚式は避けたい気持ちが強く、私もシンプルにお料理をお楽しみいただける式を提案しました。衣装も、上質なウェディングドレスを一着提案すると、とても喜んでくださり、その場でご予約され、内金もお預かりしてお帰りになりました。

突然のキャンセル希望

 ですが、その数日後、新郎から「式をキャンセルしたい」との連絡がありました。私は驚いてしまい、何かこちらに不手際があったのかと確認しましたが、「いえ、違います。ふたりの問題です」とのこと。  規約に基づき、内金返金の処理をしなければいけない旨を伝えると、「そちらにもう一度行きます」と言われました。私はてっきり、新郎のみかと思いましたが、おふたり揃って来られました。キャンセルの場合、おふたりが揃ってということは少ないです。 喧嘩する男女 その様子を見た私は「よかった、破談ではないんだな」と思ったのも束の間、返金処理の対応をしている間も、おふたりはまったく口を開きませんでした。私もただならぬ様子に、必要なこと以外は何も言いませんでしたが、返金処理を済ませ、その場で新郎にお渡しすると、その半分を新婦に渡し「はい!これできれいさっぱりおしまい!」と吐き捨てるように言いました。  新婦も奪い取るように現金を受け取り、何も言わずに席を立ちます。新郎もすぐに席を立ち、私にも何も言わずに出口に向かいます。私は驚いたまま、おふたりの後を追いましたが、お互い言葉を交わすことなく、もちろん私とも挨拶をすることなく、お互い反対方向に背中を向けて歩いて行きました。 「え?なに?なに?」と、私は何が起こったのかわからず、反対方向に歩いて行ったおふたりの姿が見えなくなるまで見送りましたが、どちらかが振り返ることなどはなく、そのまま真っ直ぐ歩いて行かれました。  私は、呆然と立ち尽くしていまい、何かあったんだろうと思いつつも、あまりにもおふたりが美し過ぎて、そのときですら映画のようだな……とも思ってしまった出来事でした。二人の間に何があったのか、私たちには知る由もありません……。 <文/長谷川真美>
長谷川真美
株式会社OMエンタープライズ代表。ウェディングプランナー、式場専門コンサルタントを経て経営コンサルタントに。プランナー育成塾「おまみ塾」、オンラインサロン「ライフキャリア研究所-It's up to you」主宰。起業女子に向けたブログを運営。Instagram:@om_enterprise.0222、Twitter:@omenterprise
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