若かりし頃、アイドルグループに所属していたという女優は他にもいます。 　昨年デビュー30周年を迎えた永作博美は、1989年フジテレビのテレビ番組『パラダイスGoGo!!』内の「乙女塾」というタレント育成講座から誕生したアイドルグループ「ribbon（リボン）」という3人組の1人でした。 　アイドル冬の時代と言われた時期にもかかわらず、シングル『あのコによろしく』がスマッシュヒットを飛ばし、絶大な人気を博しました。 　同じくアイドル冬の時代、1992年にテレビ朝日のバラエティ番組『桜っ子クラブ』の番組内ユニット「桜っ子クラブさくら組」のオーディションに合格して芸能界デビューしたのが、今ではベテラン女優として活躍する菅野美穂と中谷美紀。 「桜っ子クラブさくら組」とは、80年代に一世を風靡した素人アイドルグループ、おニャン子クラブの二番煎じ的な企画でした。けれどもCDなどを発売するもおニャン子クラブほど大きくブレイクすることはなく、メンバーそれぞれが次第に単体での仕事にシフトしていきました。 　しかし、菅野美穂や中谷美紀のように後の国民的大女優が誕生したり、バラエティで活躍した加藤紀子、ドラマ『高校教師』（TBS系列）で知られる持田真樹、グラビアで一世風靡した井上晴美や広島カープの緒方監督の妻である緒方かな子などが所属していたりと、多種多様な人材が勢揃いのアイドルグループでした。 　現在活躍している男性俳優にも、アイドル出身者はいます。人気シリーズドラマ『相棒』でおなじみ、『GTO』や『ビーチボーイズ』で社会的ブームを巻き起こした反町隆史は中学3年生の頃、本名の野口隆史でジャニーズ事務所に所属していました。「平家派」のメンバーとして光GENJIのバックダンサーを務めており、ローラースケートを履いて踊っていたのです。 「平家派」には、TOKIOの城島茂、国分太一、元メンバーの山口達也、Ｖ6の井ノ原快彦、坂本正行、長野博、後期WANDSのボーカリスト、和久二郎なども在籍しており、振り返るとかなり豪華なメンツです。 　榊原郁恵とのおしどり夫婦で知られる俳優・渡辺徹も、元はアイドル的活躍でブレイクしていました。ドラマ『太陽にほえろ!』（日本テレビ）の新人刑事役でデビューし、歌手としてもレコードを何枚もリリースし、歌番組やCMに出演。 　当時は、住んでいたアパートから最寄り駅までの間に、渡辺の帰りを待つ追っかけのファンが連日びっしり並んでいたり、通勤の電車にファンが一緒に乗り込もうとしたことが原因で遅延が発生したことはあるほどの人気だったと後に本人が語っています。 　このように、今では日本を代表する大物女優・俳優も若かりし頃はアイドルとして黄色い声援を集めていた時代がありました。人に歴史あり…現在、現役で活躍しているアイドルから将来のビッグスターが生まれる日が来るかもしれませんね。 ＜文／満知缶子＞ ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】