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「魚を見るのが怖い」魚恐怖症の女性が初デートで連れて行かれた先は…

居酒屋デートで食べすぎ&飲みすぎてしまった

 そしてFさんとの居酒屋デートの前夜、楽しみで眠れなくなってしまった夏菜子さん。 「私、昔からそういうところがあって…大事な時に体調がイマイチな事が多いんです。まさに今回もそのパターンでフラフラしながら朝、会社に行きましたね」  なんとか仕事をこなして、待ち合わせ場所に向かうと、Fさんが手を振りながら笑顔で迎えてくれました。 「も~キュンとしちゃって体調の悪さなんて吹っ飛びましたね。そのまま居酒屋に案内してもらう感じも嬉しくて」  居酒屋に着くとFさんがビールと共に、この店のおすすめだという串焼きを次から次へと豪快にたいらげていったそう。 「その食べっぷりが気持ちよくて(笑)私もつられて、つい、いっぱい食べたし、飲んじゃって」 居酒屋 カープ話に花を咲かせた2人は、帰宅しようと電車に乗り込みました。 「途中まで同じ方向なので、車内で楽しく話をしていたのですが、急に気持ち悪くなってしまって…」  ブアッと冷や汗が吹き出して、血の気が引いてきた夏菜子さん。 「Fさんが『どうしたの?顔色悪いよ』と心配してくれているけど、今にも吐きそうで。震えるだけで何も言えませんでした」  その時、電車が大きく揺れ、気持ち悪さに拍車がかかった夏菜子さんは…。

彼がコートで受け止めてくれた

「もう終わりだと思いました。電車の中で吐くだけでも最悪でヒンシュクものなのに…せっかく仲良くなれそうなFさんの前でなんて、もう消えて無くなりたいと思いました」  とうとう我慢出来ずに吐いてしまった瞬間、Fさんが腕にかけていた自分のコートでサッと夏菜子さんの吐瀉物を受け止めてくれたそう。 「ちょうどその時、電車が駅に到着したのでFさんに抱えられるように下車して…かろうじて車内を汚さずに済んだのですが、もう恥ずかしいわ、申し訳ないわでFさんの顔が見れませんでした」 ミネラルウォーターペットボトル水 まだ気持ちが悪い夏菜子さんがトイレに行き戻ってくると、Fさんがペットボトルのお水を手渡してくれました。 「お水を飲んだら大分体調が良くなってきたので、やっとFさんに『本当にご迷惑をおかけしてすみません…』と謝ると『気にしないでね。僕もあれこれ食べなよとか、すすめ過ぎちゃったよね。ごめんね』と優しく言ってくれたんですよ」  それからグッと距離が縮まった結果、程なくして二人はお付き合いをする事に。 「付き合い始めてから、おそるおそる『結局、あの時のコートはどうしたの?』と聞いたら『夏菜ちゃんがトイレに行っている間に、駅員さんにビニール袋をもらって捨てさせてもらった』と言われて…また平謝りしましたね(笑)』 ―シリーズ「危機一髪だった瞬間」― <文&イラスト/鈴木詩子> ⇒この記者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:@skippop
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