足がつって痛い!「こむら返り」を防ぐ30秒ストレッチ/医師監修
夜中に足がつって飛び起き、七転八倒した経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
足がつるとは、足の筋肉がけいれんを起こしている状態で、特にふくらはぎの筋肉が収縮し強い痛みが起こることを「こむら返り」といいます。『こむら返りを自力で予防・撃退する』の著者である出沢明PEDクリニック院長・出沢明先生は、こむら返りに潜むさまざまな病気を指摘します。
今回は、出沢先生に、こむら返りを予防する「30秒ストレッチ」を教わりました(以下、出沢先生の監修)。
こむら返りは、就寝中や寝起きのほか、重労働やスポーツ時、水泳中やその後など、筋肉に負担がかかった際に起こりやすいとされています。また、血液循環や栄養バランスが乱れやすく、体型が大きく変わる妊娠中にも起こりやすくなります。男女問わず、加齢とともに発症する頻度が高まる傾向もあります。
急に襲ってくるこむら返りは、起こってしまうと足を伸ばしたり引っぱったりして痛みが治まるまで我慢するほかありません。でも、そうなる前に自分で予防することは可能。そのために大事なのが、ふくらはぎの血流をよくすることです。
こむら返りが起こりやすい原因のひとつに、血流不足があります。
筋肉は動かさないとやせ細り、日常生活の動作や軽い運動でも筋肉疲労が起こりやすくなって、血流不足を招きます。そこでおすすめなのが、ふくらはぎの血流をよくし、筋力をアップする運動「30秒ストレッチ」。
【1】から【4】を順に行い、最後に【5】のふくらはぎのマッサージを行いましょう。
① イスに座り、片足をまっすぐ伸ばすように上げられる高さまで上げて、下ろす、を30回くり返す。
② 足を入れ替え、同様に反対側も行う。
① 高さ30~50㎝のイスか台の上などに片足をのせ、のせた足のひざに両手を置く。
② ①と反対の足のふくらはぎとひざ裏をしっかり伸ばし、30秒間キープする。
③ 足を入れ替え、同様に反対側も行う。
① 起立姿勢から、片足を大きく前へ1歩踏み出す。
② 踏み出した足の太ももに両手を置き、後ろ足のひざが床につくように下げ、30秒間キープする。
③ 足を入れ替え、同様に反対側も行う。
① イスに座り、つま先を床につけたまま両足のかかとをゆっくり上げて、ゆっくり下げる。
② かかとをつけたまま、両足のつま先をゆっくり上げて、ゆっくり下げる。
③ ①と②を交互に30回くり返す。
① 床に腰を下ろし、軽くひざを立て、両手でふくらはぎを足首からひざ裏にかけてやさしくもみほぐす。
② 足を入れ替え、同様に反対側も行う。入浴中や入浴後など、筋肉が温まっている時に行うとより効果的。
30秒ストレッチは、ふくらはぎや太ももの表裏、股関節、足首などのこわばった筋肉をほぐして、下半身の血流を改善。第2の心臓ともいわれるふくらはぎから、全身への血流を促します。
ストレッチを習慣にすることで、筋肉の収縮と弛緩が正常にコントロールされ、肌肉量を増やすことにもつながります。お風呂上がりの寝る前に行って、就寝中のこむら返り予防に役立ててください。
そもそも就寝中や寝起きにこむら返りが起こりやすい原因は、日中の活動による筋肉疲労、冷え、血流の悪化などのほか、寝ている間に汗をたくさんかいて水分やミネラル不足になるから、ともいいます。こむら返りが起こりやすい人は、就寝前に枕元に水やスポーツドリンクを準備しておくといいですね。
また、こむら返りが頻繁に起こる場合、背景にヘルニア、糖尿病、心臓病など重篤な病気が隠れている可能性も。出沢先生の著書『こむら返りを自力で予防・撃退する』では、椎間板ヘルニア・脊柱管狭窄症の内視鏡治療の第一人者である先生が、こむら返りに潜む多くの病気について解説しています。
気になる人は、早めに医師に相談したり検査を受けてみるべきでしょう。
<監修者プロフィール>
出沢 明(でざわ あきら)先生
医療法人明隆会理事長。出沢明PEDクリニック院長。
1980年千葉大医学部卒業、1987年同博士課程修了。国立横浜東病院整形外科医長、千葉市療育センター通園センター所長、帝京大学医学部附属溝口病院整形外科教授・整形外科科長などを経て、2014年に出沢明PEDクリニックを開業。
腰椎椎間板ヘルニア・腰部脊柱管狭窄症など腰の病気に対する、内視鏡治療の第一人者
<文/女子SPA!編集部 イラスト/藤井昌子>
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2.「30秒ストレッチ」5種で、ふくらはぎの血流アップ
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【2】ふくらはぎのストレッチ

【3】股関節と太もも前のストレッチ

【4】足首のストレッチ

【5】ふくらはぎのマッサージ

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