ジェラートピケ好きの女性へのプレゼントを買うついでに購入していた
「するとNは言葉に詰まりブルブル震えだして『ごめん、香織にそう言われて気がついたよ。僕は浮気じゃなくて、彼女の事が本気で好きみたい…だから別れよう』って言われたんですよ。も~驚き過ぎて気を失いそうでした」
実はNさん、3ヶ月前から同じ部内の後輩R子さん(24歳・独身)と浮気をしていて、香織さんと二股状態だったのです。
「どうもその女がジェラートピケが好きらしく、Nがクリスマスプレゼントに買いに行ったついでに、めんどくさいので私の分も適当に買ったみたいで…本当に失礼なヤツだなと頭にきましたし、とてもショックでした」
本心は悲しくて仕方がなかったですが、もらったルームウェアのセットアップをNさんにぶん投げて「はやく出て行って!」と叫んだ香織さん。
「Nを追い出して、玄関のチェーンをかけたら思わず号泣してしまいました。浮気されていた事にまるで気がつかなかったし、男を見る目も無いし、私って馬鹿だなぁとつくづく嫌になりましたね」
翌日、家を出ようと玄関を開けると…。
捨ててもジェラートピケの前を通ると思い出しムカつく
「昨夜ぶん投げたあのルームウェアが入った紙袋が玄関に下げてあったんですよ。こんなもんいるか!と頭にきて、そのままマンションのゴミステーションに捨ててやりました」
その日のうちに合鍵を送り返して、Nさんとはそれっきりなのだとか。
「あんな屈辱的な失恋は初めてで…まだちょっと胸の傷が癒えてませんね」
それから香織さんは、ジェラートピケの前を通る度に、Nさんの事を思い出してムカムカしてしまうそうです。
―シリーズ「
思い出深いギフト」―
<文&イラスト/鈴木詩子>
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鈴木詩子
漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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