2度のプロポーズを断った女性の本音「“結婚”が目的じゃない」
現代では、結婚に囚われず人生を謳歌する女性も増えてきていますが、「未婚」という選択の裏には様々な事情もあるもの。今回取材に応じてくれた彩音さんは交際相手との未来に希望を感じられず、独身・子なしという人生を貫いてきました。
「子どもがいない人生を歩むことへの葛藤はなかったけれど、一抹の寂しさを感じることはあります」――その言葉の裏に秘められた思いを聞きました。
交際相手からのプロポーズを受けるか、受けないか。それは今後の人生を左右する、大きな決断です。20代の頃、彩音さんは当時付き合っていた彼氏の子どもを妊娠。
「日頃から避妊は徹底していましたが、一度だけ失敗してしまい、その時に妊娠しました。」
妊娠したことを告げると彼氏は「結婚してほしい」とプロポーズしてくれましたが、彩音さんは申し出を拒否。悩みに悩んだ結果、お腹の子は中絶することにしました。彼氏には子どもを産まない理由やプロポーズを受けられないワケなどを正直に打ち明けます。
「当時の私には覚悟や自信があまりになくて、彼との未来にも明るい希望を持てなかったので、産まないと決めました。結局、中絶前に流産してしまいましたが……。罪悪感は今でもあります。」
2人はその後もしばらく交際を続けましたが結局、破局を迎えました。
彩音さんは30代の頃にも違う男性からプロポーズをされましたが、その時も相手との明るい未来が想像できないと感じ、申し出を断ったそう。彼女は自身の結婚観を、こう語ります。
「最愛の人と最善の形でいられることが一番大切。大切にし合うために結婚という形にシフトするのならそれでも嬉しいですが、結婚しなくても思い合えるのなら私はそれで幸せなんです。」
結婚適齢期になると周囲からのプレッシャーに焦りを感じてしまうことも多いもの。しかし、私たちが本当に求めているのは「結婚」という形を手に入れることではなく、結婚したいと思えるほど大切な人と出会うことであるはず。
もともと特に子どもが好きなわけではなかったため、出産をせず家庭を作らない生き方を選んだことに後悔はなく、様々なことにチャレンジして得た経験は彩音さんの宝物になっているそう。しかし、未婚・子なしである彩音さんに向けられる周囲の視線は厳しいものでした。
「子どもを産んでいないから分からないんだ」「かわいそう」「子どもを産んでいないと一人前にはなれない」と言われ、生きづらさを感じたことも。同性がそうした言葉を向けてくることが多かったという事実も、心に刺さったといいます。
日常の中では母親になっていないがゆえに感じる“自分の心の狭さ”にモヤモヤすることも。
「人のことを心配しすぎちゃったり、やきもきしたり……。絶対じゃないし、全員ではないと思いますが、やっぱり子どもがいる人って大らかだったり余裕があったりするなって感じるんです。私は真逆なので、羨ましい。」
彼氏からのプロポーズを断って未婚に
結婚しなくても思い合えれば幸せ
実体のない「孤独感」という敵

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