「道端に落ちてた未使用の排水口ネットをもらったこともあります」と紗奈さん。果たしてプレゼントと呼ぶのか謎ですが…。
「家の近所に排水口用のネットが落ちてて、もちろん私は拾わずに帰宅しました。で、後から家に来た彼がいろいろ買ってきてくれたスーパーの袋の中に排水口用のネットが入ってたんです。『
これどうしたの?』ってさりげなく聞いたら、『
間違えて買った』と言い張ってました…」
エンジニアをしている紗奈さんの彼は、自作のアプリなど彼女の想像の斜め上をいくプレゼントが多かったとか。「正直嬉しくはなかったけど、『えぇっ?!』という驚きは毎回新鮮で、ついつい嘘も許していました」
とはいえ、くだらない面白さだけで不倫が続くわけもなく。
彼女は最後、彼に将来を問い詰めた際に「
子どものことを考えると、別れるという行動は自分からは取らない」と本当の事を言われ、興ざめしたそうです。
「嘘ばっかりの発言だった彼が、初めて本当のことを口にしたなって思ったら、スーッと冷めました。最後も嘘を突き通して欲しかったよね」
ポツリと紗奈さんは呟き、苦笑したのでした。筆者はそんな変な奴との不倫がやめられて、本当によかったねと思うのでした。
―シリーズ「
思い出深いギフト」―
<文/しおえり真生>