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「ダメなまま許される世界に」ゲイ作家もちぎさんの温かさに泣き笑い

「家族も他人以上、自分未満」

――もちぎさんは性だけでなく、親子関係でも苦しい思いをしてこられたので、現在同じように「親」や「家族」という存在に苦しんでいる読者に何かアドバイスをいただけたら嬉しいです。
『あたいと他の愛』(文芸春秋・2019年)

高校卒業を目前にしたある日、母にゲイがバレたことをきっかけに、東京へ飛び出すまで、どう生き抜いてきたかが描かれた『あたいと他の愛』(文芸春秋・2019年)

もちぎさん:親と子の関係や家族の関係は多種多様で、その関係性に不正解はあるけれど正解というものは存在しないんだと思います。だから断言できるアドバイスはないけれど、月並みな言葉でいいなら「家族も他人以上、自分未満」です。  親や家族は赤の他人よりは近い関係だけど、自分とまったく同じじゃない生き物なので、そこはしっかり線分けして生きればいい。経済的支援や愛情を分け与える関係も、自分あってこそだと思います。
『ゲイバーのもちぎさん』(1) (Palcy・講談社、2月13日刊)

(c)もちぎ/講談社

『ゲイバーのもちぎさん』(1) (Palcy・講談社、2月13日刊)

(画像:漫画アプリPalcyにて『ゲイバーのもちぎさん』新連載開始時のリリースより)
(c)もちぎ/講談社

『ゲイバーのもちぎさん』(1) (Palcy・講談社、2月13日刊)

(画像:漫画アプリPalcyにて『ゲイバーのもちぎさん』新連載開始時のリリースより)
(c)もちぎ/講談社

『ゲイバーのもちぎさん』(1) (Palcy・講談社、2月13日刊)

(画像:漫画アプリPalcyにて『ゲイバーのもちぎさん』新連載開始時のリリースより)
(c)もちぎ/講談社

「誰かに伝える」という姿勢が最善

――「他人以上、自分未満」。たしかにそう考えると呪縛から逃れやすくなりますね。また、年齢などのステータスも重荷になり得ると感じるのですが、そうした「呪い」はどう乗り越えたらいいでしょうか。 もちぎさん:人によって価値観はまちまちで、それを自分で武器にしたり気にしないようにしたり、呪いとして背負ってでも自分を生きていくようにするかはその人次第だと思うので、あたいからはなんとも言えない。あたいはあたいなりの生き方を本で示していってるので、それを「こんな人もいるんだな」程度に受けとってもらえるとありがたいです。 ――自分を生きていく中で悩んだり迷ったりしてもSOSを出せない人も多いと思います。新作の中でもちぎさんも、大事な友人でも断片的な過去や努力しか見せられなかったと描いておられましたが、同じような方はどう助けを求めたらよいでしょうか。 もちぎさん:今の時代だとSNSなどがあるので、発信する機会は増えていると思います。「誰かに伝える」という姿勢が、自分の気持ちを言語化する最善の姿勢。ひとりで抱える必要はないので、少しづつ話せる体勢を身に慣らしていけたらいいかなと。 ――マイノリティでも強くなれなくてもいい。そう安堵できる温かさが詰まったもちぎさんの生き方。  読者へのエールがたくさん込められたもちぎワールドは笑いと涙を誘い、心をすっきりとさせてくれるはず。ぜひ新作や過去作を手に取り、欠点だらけの自分やこれまでの人生を少し、愛でてあげてみてください。 ●『ゲイバーのもちぎさん』(講談社)
『ゲイバーのもちぎさん』(1) (Palcy・講談社、2月13日刊)

『ゲイバーのもちぎさん』(1) (Palcy・講談社、2月13日刊)

【もちぎさんプロフィール】 ギリギリ平成生まれのゲイ作家。元ゲイ風俗とゲイバーの従業員。現在は田舎で隠居生活を送っている。 <文/古川諭香> ⇒この著者は他にこのような記事を書いています【過去記事の一覧】
古川諭香
愛玩動物飼養管理士・キャットケアスペシャリスト。3匹の愛猫と生活中の猫バカライター。共著『バズにゃん』、Twitter:@yunc24291
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