ブログは公開初日だけで10万件を超えるアクセスがあり、SNSでもシェアされて、方々でたくさんのコメントが寄せられていました。
「
愚痴ではなく立派な社会問題」「政治家に届いてほしい」「読んでいて涙が出た。幸せになってほしい」など、共感や応援の声も多くみられましたが、同時に否定的なコメントも多く、
このブログへのコメントが、まさにシングルマザーを取り巻く日常の縮図にもなっているのです。具体的には、次のような傾向が見られました。
1. 自己責任論
・「勝手に離婚したんだから自己責任。国のせいにするな」
・「男を見る目がないのが悪い」
・「金がないのに親権取るのが間違い」
DV被害に遭っている女性や、やむを得ない事情で生活保護を受けている人などに関する話題でもよく目にしますが、果たして彼女の提起した数々の問題は“自己責任”で片付けて良いものでしょうか。
2. 男尊女卑、女性軽視
・「周囲に愛される努力でもすれば?」
・「男にバカにされないようにもっと勉強するべき」
・「いくらもらえれば満足なの?」
セクハラや女性軽視と言えるコメントも多数見られました。もしブログ主がシングルファーザーであったとしたら、このようなコメントは付いていないかもしれません。
3. 無理解、見当違い
・「かわいそうアピール、不幸アピールにしかみえない。正直どうでもいい」
・「ゴチャゴチャ言ってないでしっかり稼げ」
・「児童手当なんか独女ももらってない」
ブログの一部を読んだだけで書き込んでいる様子ですが、「全体を見ず、単語だけに反応して叩く」タイプは、他の場所でも見かけます。“現状への無理解”以前の問題かもしれません。
「ひとり親は、かわいそうな存在でいるべき」という偏見
misoyorishiohaさんにこのブログについて話を伺ったところ、「ちょっと愚痴を吐き出しただけのつもりだったから、反響には驚いた」と言いつつも、次のように語ってくれました。
「シングルマザーは部屋を借りるだけでも大変です。世間の目も、公的な支援からしても、
シングルマザーは“みじめでかわいそうな存在でいるべき”みたいなイメージが根強いんだなって感じます。シングルマザーが増えているからこそ、イメージを変えて、理解を得られるようになっていってほしいです。
助けを求める人に必要な行政サービスが行き届き、
サポートをしてくれる職業の人たちや施設にも、もっと手厚い保障があってしかるべきとも思います。でも現実では、公立の保育園が閉園しています。子どもを預けないと、働けないのに。そしてたとえ預けらえても、『子どもがかわいそう』『母親失格』とまで言われてしまう。
シングルでも夫婦そろっていても、みんな必死で子育てをしています。だからこそ、“女だから”“母親だから”といった偏見がなくなるよう、
日本の男尊女卑も減っていってほしいと切に願います」
かつてシングルマザーとして2人の子どもを育てていた筆者も、シングルマザーへの風当たりの強さや偏見に思い悩んだ経験があります。
10年以上経っても変わっていない現状にショックを受けると同時に、misoyorishiohaさんの上げてくれた声が、シングルマザーを取り巻く社会を変えるきっかけになってくれたらと願っています。
そんな思いも込め、次回からは『シングルマザー死ねって日本が言ってる』で提起された社会問題について、misoyorishiohaさんの体験や専門家の解説とともに深堀りしていきたいと思います。
<取材・文/千葉こころ>
【お詫び】
編集上の手違いにより、タイトルに誤字がございましたので、訂正いたしました。
misoyorishioha様、読者、関係者の方々にお詫びいたします。
女子SPA!編集部
千葉こころ
ビールと映画とMr.Childrenをこよなく愛し、何事も楽しむことをモットーに徒然滑走中。恋愛や不倫に関する取材ではいつしか真剣相談になっていることも多い、人生経験だけは豊富なアラフォーフリーライター。