ファミリーサポート(自治体が主体となって運営している、地域での子育てを助け合う活動で、子どもの保育園への送迎や預かりなどを行う)は事前登録が必要ですが、普段でも利用できますので、登録されておくといいかと思います(今回の場合は、熱がないなどの条件はあると思いますが)。自治体によっては、病後児等利用料の補助がある地区もありますので、確認してみてください。
親が入院した際や出張など、
子どもの短期入所預かり(ショートステイ)や、ひとり親家庭の場合ですと、
ひとり親家庭日常支援事業というヘルパーが家に来てくれる制度もあります。
【ひとり親家庭日常支援事業・「生活支援」利用負担額】
生活保護世帯及び市民税非課税世帯は0円
児童扶養手当支給水準の世帯は一時間当たり150円
この事業では、「生活支援」と「子育て支援」がありますが、多くは生活支援として、家事のサポートも行っています。両方ある自治体で、家事はしてもらわず、保育所の送迎や留守番の子どもの世話だけでの利用であれば、子育て支援になるかと思いますが、生活支援事業だけの自治体もありますので、東京都であれば
ひとり親サポートの支援窓口など、お住まいの自治体を確認してみてください。
「生活支援」と「子育て支援」の違いに迷ったら、
静岡市のHPが分かりやすくてオススメです。この制度、本当に周知度が低く、とても良い制度ですが知らない方が多いので、この機会にぜひ知ってもらい、利用してほしいです。
まず、真っ先に私たちの団体(シングルマザーサポート団体全国協議会)が、必要と思い協議したのは、休業補償です。これについては、事業所が特別枠の有給休暇を設け、幼稚園や保育所、認定こども園に通う子どもや、小学生のいる従業員が休業した場合、一日最大8,330円を助成が決まりました。
ただし、
影響の大きい、自営などフリーランスの方には保障がありません。また、3月だけの補償のため、非正規雇用の場合、今後経済の落ち込みにより4月以降も収入が減る方も出てくるのではと思います。
一斉休校の要請と合わせて、やはり、子どもの居場所についてもある程度は確保していただきたいです。ベビーシッターの補助増額の決定は早かったと思いますが、災害や今回のような緊急時の場合は、
所得には入れないということをあらかじめ想定した制度が求められると思います。
この点については、後付けで良いので、特別措置として所得としないよう、今後も要請を続けたいです。

学童保育など、人員不足です。朝からの開所ですと職員も疲弊してしまいます。 事業所が、あらかじめ地域の方に非常時の職員の子どもの預け先として登録していただき、今回のことでもそれが機能して、仕事を休まずに済んだという記事を見ましたが、そういった緊急時になる前に、ボランティアをしてくださる方に登録してもらうなど、平時の対応が必要と考えます。
休校による学びの機会をどう保障するかも課題です。ネットで学習できる教材やサービスの無料開放も始まっていますが、ネット環境にない家庭もありますので、誰もが見られるEテレなどでの、授業放送などもあるといいのではないでしょうか。
突然の一斉休校で、戸惑いも大きいと思います。
仕事を休めず、子どもを家に置いて仕事に行かなければいけない、反対にどうしても子どもを置いて仕事に行けず、休まなくてはいけないお母さんもいらっしゃるでしょう。
留守番をされているお子さんには、地域でお互いに声かけなどもお願いできるといいですね。ベビーシッター派遣事業だけではなく、他の公的なサービスと合わせて利用し、子ども達が安全に過ごせるように、なんとか乗り切りましょう。
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【平井 照枝プロフィール】
しんぐまざあず・ふぉーらむ北海道代表。「心と家計の救急箱 くらし考房」主宰。2007年に2級FP技能士(AFP)を取得。現在は1級FP技能士(CFP)、キャリコンサルタント。離婚を機に2008年、「ひとり親家庭相談員」となり、当会を設立した。
※制度の内容は、3月4日時点のもの
<文/平井 照枝、取材協力/女性とシングルマザーのお金の専門家(R)>