鮎川真美さん(仮名・34歳・主婦)は、もう家にトイレットペーパーのストックが7ロールしかなく焦っていました。
「近所のドラッグストアやスーパー、コンビニに1つも売っていなくて。仕方なく自転車であちこち探し回り……、すっかりトイレットペーパー難民状態ですよ」

すると、個人経営の薬局でトイレットペーパーを発見した真美さん。
「思わず『やった!』と声が出てしまいました。3パックありましたが、1パックだけ買いご機嫌でお店を出ました」
鼻歌まじりに自転車に乗り、横断歩道で信号が変わるのを待っていると……。
「通りすがりのおばあさんに『あら、トイレットペーパー! もしよかったらどこに売っていたのか教えてもらえませんか?』と聞かれて。きっとこのおばあさんも私と同じで困っているんだろうなと思いました」
真美さんは「よかったら差し上げますよ。私は自転車でパパッとまた買いに行けばいいので」とおばあさんにトイレットペーパーを譲りました。

「そしたら、そのおばあさんとても感謝してくれて。何度もお金払わせてと言われましたが断っていたら、飴を一袋もたせてくれました」
すぐに自転車を走らせさっきの薬局に戻ると、残り最後のトイレットペーパーを買う事ができました。
「ふ~危ないところでした(笑)。でも、こんな不安な時こそこういう交流に癒されるし、大切だなと思いましたね」
ちなみにおばあさんにもらった飴は、ミントのコーティングの中にトロッと蜂蜜が入っていて、とても美味しかったようです。
<文&イラスト/鈴木詩子>
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漫画家。『アックス』や奥様向け実話漫画誌を中心に活動中。好きなプロレスラーは棚橋弘至。著書『女ヒエラルキー底辺少女』(青林工藝舎)が映画化。Twitter:
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